ユーザーズガイド DUCATI HYPERMOTARD BROCHURE
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DUCATI HYPERMOTARD DATASHEET (1788 ko)
マニュアル抽象的: マニュアル DUCATI HYPERMOTARDBROCHURE
詳しい操作方法はユーザーガイドに記載されています。
[. . . ] EXVL EXVL EXVL EXVL 16. 0 19. 1 19. 2 21. 1 21. 2 21. 3 22. 1 22. 2 23. 1 23. 2 23. 3 23. 4
エラー フューエルポンプリレーエラー スターターコンタクターエラー スターターコンタクターエラー ステッパーモーターエラー ステッパーモーターエラー ステッパーモーターエラー ラムダヒーターエラー ラムダヒーターエラー エキゾーストバルブモーターエラー エキゾーストバルブモーターエラー エキゾーストバルブモーターエラー エキゾーストバルブモーターエラー
J
31
ランプ
エラーメッセージ EXVL TPS TPS PRES PRES T. OIL T. OIL AIR AIR BATT BATT LAMB 23. 5 1. 1 1. 2 2. 1 2. 2 3. 1 3. 2 4. 1 4. 2 5. 1 5. 2 6. 1
エラー エキゾーストバルブモーターエラー スロットルポジションセンサーエラー スロットルポジションセンサーエラー プレッシャーセンサーエラー プレッシャーセンサーエラー エンジンオイル温度センサーエラー エンジンオイル温度センサーエラー 外気温センサーエラー 外気温センサーエラー バッテリーテンションエラー バッテリーテンションエラー ラムダセンサーエラー
J
32
ランプ
エラーメッセージ TILT ECU PK. UP SPEE. [. . . ] IMMO IMMO IMMO IMMO CAN 6. 2 30. 0 34. 0 36. 0 37. 0 37. 1 37. 4 37. 5 38. 0
エラー ラムダセンサー 2 エラー エンジンコントロールユニットエラー ピックアップセンサーエラー スピードセンサーエラー イモビライザーエラー イモビライザーエラー イモビライザーエラー イモビライザーエラー CAN ラインエラー
J
33
ヘッドランプ“インテリジェンス”消灯機能 この機能ではヘッドランプが自動的に OFF となり、バッテ リーの消費量を抑えます。この機能は次の 3 つの場合に作動 します: - 1 つ目は、キーを OFF から ON にした際、エンジンが始動 しなかった場合、秒後にヘッドランプは OFF になり、エ ンジンを再始動した時のみに ON になります。 - 2 つ目は、 ヘッドランプを使用した状態で車両を通常使用 した後、右側スイッチにある RUN-STOP ボタンを介してエ ンジンを止めた時。 この場合、 エンジン停止 60 秒後、 ヘッドランプは消灯し、 エンジンを始動した時に点灯します。 - 3 つ目は、エンジン始動時。
J
34
イモビライザーシステム
注意
この車両には電子制御でエンジンをブロックする盗難防止 2 本のキーには、キーの識別番号の書かれたプレート 装置 ( イモビライザー ) が搭載されています。イモビライ (1) が付いています。 ザーは、毎回エンジンを停止する度に自動的に作動します。 各キーボディにはトランスポンダーが内蔵されています。 ト ランスポンダーからの信号は、 イグニッションスイッチ部に 組み込まれたアンテナを介してコントロールユニットに送 られます。この信号はパスワードの役割を果たし、 イグニッ ションキーがスイッチに差し込まれる度に、 毎回変更されま す。CPU が “パスワード”によってキーを承認した時のみ エンジンが始動します。
キー ( 図 21)
車両には、以下のキーが付属しています: - キー B( 黒 )2 本 キーにはイモビライザーシステムコードが内蔵されていま す。
注意
Ducati のディーラーが作業を行う際に、 コードカード を必要とする場合があります。 黒いキー (B) は、 通常のイグニッションキーで以下に使用さ れます: - エンジンの始動 - 燃料タンクキャップの開閉 - シートロックの解除
B
1
図 21
J
35
警告
キーとプレート (1) は別の安全な場所に保管して下さ い。 通常は 2 本の黒いキーの内、1 本のみを使用するようにして ください。
コードカード
キーと併せてコードカード ( 図 22) が付属しています。 カー ドには、キー ON 後にエンジンブロックが作動した場合に使 用する電子コード (A、図 23) が記載されています。
警告
コードカードは安全な場所に保管して下さい。イモビ ライザーシステムに問題が生じ、琥珀色の " エンジン診断 EOBD" ランプ (8、図 4) の点灯で表示され、エンジンブロッ ク状態になった場合に、エンジンブロックを解除する為、ラ イダーは常にコードカード上に記載されている電子コード を携帯することをお勧めします この作業はコードカードに記載されている電子コード(エレ クトロニックコード ) がなければ出来ません。 図 22
A
警告
コードカードはディーラーでキーの再プログラミング またはキーの交換をする際にも必要です。
J
36
図 23
イモビライザーの解除作業
" イモビライザーブロック " は、コードカードに記載されて いる 5 桁の電子コードを入力し、下記に従い " イモビライ ザー解除"作業をインストルメントパネルから行う必要があ ります: メニューの "cod" ページに入ります。
B (x
)
注意
このメニューはイモビライザーエラーが最低一つ検知 されていないと使用できません。 メニューのこのページに入ると、 まずは "00000" と表示され ます。この時点でポジション B"▼" のボタン (1、図 8) を 3 秒押すとコードカード上に記載されている電子コード入力 作業に移行します。
B A A B A A B A A B A A B A A
CODE OK ?
図 24
J
37
コードの入力: この作業を選択すると、一番左の数字が点滅し始めます。 ボタン (1、図 8): 1 秒ごとに数字が増 ポジション B"▼" の状態で押すたびに、 えます。 ポジション A"▲" で押すと 2 つ目の数値入力に移ります。ポ 1 秒ごとに数字が増え ジション B"▼" の状態で押すたびに、 ます。 ポジション A"▲" を押すと 3 つ目の数値入力に移ります。ポ 1 秒ごとに数字が増え ジション B"▼" の状態で押すたびに、 ます。 ポジション A"▲" を押すと 4 つ目の数値入力に移ります。ポ ジション B"▼" の状態で押すたびに、 1 秒ごとに数字が増え ます。 ポジション A"▲" を押すと 5 つ目の数値入力に移ります。ポ ジション B"▼" の状態で押すたびに、 1 秒ごとに数字が増え ます。 ポジション A"▲" を押すとコードを確認し入力します。
この時点で、コードが正確に入力されていると“cod”表示 と入力したコードが同時に 4 秒間点滅します。" エンジン診 断 -EOBD" ランプ (8、図 4) が消灯し、インストルメントパ ネルは自動的にメニューから出て、 エンジンの始動を許可し ます。 インストルメントパネルにエラーがある状態のままの場合、 次回のキー ON 時にもエンジンブロック状態になります。 コードが正しく入力されなかった場合、 インストルメントパ ネルは自動的に"cod"メニューに戻り"00000"を表示します。
J
38
操作 イグニッションキーを ON から OFF の位置に回す度に、シス テムはエンジンブロックを作動します。 エンジンの始動に は、キーを OFF から ON の位置にして下さい: 1) コードが承認されると、システムはエンジンブロックを 解除します。START ボタン (2、図 28) を押すと、エンジンが 始動します。 2) 診断ランプ (8、図 4) が点灯した時点でポジション "▼" のボタン (1、 図 8) を押すと "Error IMMO" と表示され、 コー ドが承認されなかった事を示します。キーを OFF の位置に戻 して、再度 ON の位置に回します。それでもエンジンが始動 しない場合は、付属している他の黒キーを使い、もう一度試 して下さい。 もしこの方法でもまだブロックが解除されな い場合は、Ducati サービスセンターに御連絡下さい。
キーの複製
追加のキーが必要な場合は、 お持ちのキー全てとコードカー ドを持って Ducati サービスセンターにご依頼下さい。 Ducati サービスセンターは新しいキー、 およびお手元のキー を再プログラミングします。 Ducati アシスタントサービスは、お客様が車両のオーナー である証明の提示を求める事がありますので、 必要書類をご 持参下さい。 この作業時に再メモリーされなかったキーのメモリーは削 除されて無効となるため、 エンジンを始動する為に使用する ことはできません。
注意
オーナー変更の際、全てのキーとコードカードを新し いオーナーに譲り渡されなければなりません。
警告
強い衝撃を与えるとキーに内蔵された電子部品を損傷 しますので注意してください。 作業中は常に同じキー1本のみをを使用してください。 違 うキーを使用すると、 システムのコード認証の妨げになる場 合があります。
J
39
イグニッションスイッチ / ステアリ ングロック ( 図 25 )
燃料タンクの前にあり、4 つのポジションがあります: A) B) C) D) ON: エンジン、ランプが作動 OFF: エンジン、ランプ機能停止 LOCK: ステアリングロック作動 P: パーキングランプ+ステアリングロック作動
B
A
C D
注意
キーを (C)、(D) の位置にするには、キーを押してか ら回して下さい。(B)、(C)、(D) の位置ではキーを引き抜く ことができます。 図 25
J
40
左側スイッチ
( 図 26)
1) ディマースイッチ、ビームの選択、2 ポジション: = ロービーム ON = ハイビーム ON 2) ボタン = ターンインジケーター、3 ポジション: 中央 = OFF = 左折 = 右折 ターンインジケーターを消すには中央部に戻したスイッチ を押します。 3) ボタン = 警告ホーン
1
5
4
2 3
図 26
4) ボタン = フラッシャー (FLASH) およびインストル メントパネルコントロール 5) インストルメントパネルコントロールボタン、 2 ポジショ ン: ポジション“▲” ポジション “▼”
注意
(1)(2)(4) を点けると、インストルメントパネル上の それぞれのランプが点灯します (11 ページ参照 )。
J
41
クラッチコントロールレバー ( 図 27)
レバー (1) でクラッチの接続を操作します。 この機種にはアジャスター (2) がついており、レバーとグ リップとの間隔の調整が可能です。調整を行うには、 レバー (1) を完全にゆるめ、レバーをハンドルから離すにはつまみ (2) を時計回りに回し、 近づけるには反時計回りに回します。 レバー (1) を引くと、 エンジンの回転がトランスミッション およびリアホイールに伝わらなくなります。 クラッチの適 切な操作は、スムーズなライディング、特に発進時に重要で す。
2
警告
クラッチ及びブレーキレバーの調整は、車両が停止し た状態で行います。
重要
クラッチレバーを正しく操作することで、トランス ミッションの損傷を避け、 車両の寿命を延ばすことができま す。
注意
サ イ ド ス タ ン ド を 降 ろ し、ト ラ ン ス ミ ッ シ ョ ン が ニュートラルの状態でエンジンを始動させることができま す。また、ギアが入った状態で始動する時は、クラッチレ バーを引いて下さい (この場合サイドスタンドは降ろしませ ん) 。
1
J
42
図 27
右側スイッチ ( 図 28)
1) ENGINE STOP ( エンジン停止 ) スイッチには 2 つのポジ ションがあります: - (RUN) = エンジン作動 (OFF)= エンジン停止 .
1
3
警告
このスイッチは、エンジンを直ちに停止させなければ ならない緊急時等に使用することを目的としています。 エ ンジン停止後は、再始動ができるようにスイッチを ポジ ションに戻して下さい。 2) ボタン =エンジン始動
2
図 28
スロットルグリップ ( 図 28
)
ハンドルバー右側のスロットルグリップ (3) は、スロットル ボディの開閉を操作します。グリップを緩めると、自動的に 元の位置 ( アイドリング状態 ) に戻ります。
J
43
フロントブレーキコントロールレ バー ( 図 29)
レバー (1) をスロットルグリップの方向へ引くと、 フロント ブレーキがかかります。 このレバーは油圧で作動するため、 軽く握るだけで作動します。 この機種には調整用つまみ (2) が搭載されているため、レ バーとグリップとの間隔が調整できます。 調整を行うには、レバー (1) を完全にゆるめ、レバーをハン ドルから離すにはつまみ (2) を時計回りに回し、 近づけるに は反時計回りに回します。
2
警告
フロントブレーキレバーの調整は車両が停止している ときに行なって下さい。
1
J
44
図 29
リアブレーキコントロールペダル ( 図 30)
ペダル (1) を下に踏むことで、リアブレーキが機能します。 最小限の力で機能させるため、 油圧システムを使用していま す。
1
図 30
ギアチェンジコントロールペダル ( 図 31)
ギアチェンジコントロールペダルには中央にニュートラル N ポジションがあり、 自動的にこのポジションに戻るシステム になっています。ギアがニュートラルポジションの時、イン ストルメントパネル上には N ランプ (8、 図 4) が点灯します。 ペダルは以下のように動かせます: 下へ=シフトダウンおよび 1 速へのチェンジは、 ペダルを下 に押します。この時、 インストルメントパネルの N ランプが 消えます。 上へ=ペダルを上へ上げることで、2 速から順次 3、4、5、6 速へとチェンジします。 一回の操作が一速分のチェンジに相当します。
6 5 4 3 2 N 1
図 31
J
45
ギアチェンジペダルとリアブレーキ ペダルの配置調整
ギアチェンジペダルとリアブレーキペダルのポジションは、 ライダーのライディングスタイルとフットペグの位置に合 わせて調整することができます。 これらの調整は以下の手順で行ってください: ギアチェンジペダル ( 図 32) オープンエンドレンチを使用してリンケージ(1)をフラット で固定し、ロックナット (3) を緩めます。 リンケージ (1) をギアチェンジレバーから取り外すため、 ス クリュー (4) を緩めます。 ギアチェンジペダルを好みの位置にし、 レンチでリンケージ (1) のフラット (2) を回します。 リンケージ (1) にギアチェンジレバーをネジ (4) で固定しま す。 リンケージ (1) をロックナット (3) で締め付けます。
1
3
4
2
図 32
J
46
リアブレーキコントロールペダル ( 図 33)
ロックナット (5) を緩めます。 ペダルが好みの位置になるまで、調整ネジ (6) を回します。 ロックナット (5) を締め付けます。 ペダルを手で押しながら、 ブレーキがかかり始めるまでに約 1. 5 ~ 2 mm の遊びがあるかを確認します。 もし上記のような遊びが確認できない場合、 マスターシリン ダーのロッドの長さを次の手順で調整します: シリンダーのロッド上にあるロックナット (7) を緩めます。 フォーク (9) のロッド (8) の遊びを増やしたい場合は締め、 逆に減らしたい場合は緩めます。 ロックナット (7) を締め、再度遊びを確認します。
8 7 9 5 6
図 33
J
47
主要構成部品 / 装備
6
8
車両上のポジション ( 図 34)
1) 2) 3) 4) 5) 6) 7) 8) 9) 燃料タンクキャップ シートの開閉 小物入れトランクの開閉 サイドスタンド フロントフォークアジャスター リアショックアブソーバーアジャスター リアビューミラー サイレンサー、エキゾーストパイプ 触媒システム
3 7 5
4
9 2 8
警告
エキゾーストシステムは、エンジンを止めた後も熱い 場合があります。手を触れないよう充分注意し、車両を木 材、 木の葉などの可燃物のそばに駐車しないようにして下さ い。
J
48
7
5
1
図 34
燃料タンクキャップ ( 図 35)
開け方 鍵穴にキーを挿入します。時計回りに 1/4 回転してロックを 解除すれば、キャップを開けることができます。 キャップ (1、図 35) を取り外します。 閉め方 キーの差し込まれたキャップ (1) を押しながら、キーを反時 計回りに回して、元の位置に戻してから抜き取ります。
1
注意
キャップはキーが差し込まれていないと閉まりませ ん。 図 35
警告
燃料補給 (66 ページ参照 ) 後は毎回、キャップが正し い位置で確実に閉まっていることを確かめて下さい。
J
49
シートの開閉
開け方 付属のアレンスクリュー (1) を緩めて外します。 シート後部を持ち上げ、後部から引きながら、前部サポート から抜き取ります。 閉め方 シート前端部をフレームクランプ下部に挿入し、 スクリュー (1) を挿し込み締め付けます。 シートがしっかりフレームに固定されている事を確認しま す。
1
図 36
J
50
小物入れトランクの開閉
小物入れトランクを開けるには、プラスチック製のスク リュー (1) を反時計回りに 1/4 回転回します。 ツールキットケース (67 ページ参照 ) が収納されている小物 入れトランクは、内側のカバーを取り外して開きます。
1
重要
重い物や、金属製の物で車両運転中のバランスを崩さ せる可能性のある物を入れないで下さい。 小物入れトランクを閉めるには、 左サイドフェアリング内側 に内部カバーを取り付け、 プラスチック製スクリュー (1) を 時計回りに 1/4 回転させます。 図 37
図 38
J
51
サイドスタンド ( 図 39) 重要
注意
2 本のスプリング (1 本はもう 1 本の内側 ) で構成され ている保持システムが正確に機能しているかどうか、CPU に スタンドのポジションを伝えるセキュリティーセンサー (2) サイドスタンドを使用する前に、 地面が適しているか、 の機能を定期的にチェックすることをお勧めします。 この 平らであるかを確かめて下さい。柔らかい地面、砂利、日光 配線を保護するため、バッテリーサイドに 3A のヒューズが で柔らかくなったアスファルト等に停車すると、 転倒の原因 配置されています。(103 ページ参照 ) になります。 傾斜面に駐車する場合は、 常にリアホイールが斜面の低い方 に向くようにして下さい。 注意 スタンドを降ろし、ギアがニュートラルの状態でエン サイドスタンドを使用するには、ハンドルバーを両手で掴 ジンを始動させることができます。または、ギアが入った状 クラッチレバーを引いた状態で始動させ み、車体を支えながら、スタンドのフック (1) を足でしっか 態で始動する場合、 り押します。 スタンドの先端が地面に着くまで車体を左側 ます ( この場合サイドスタンドは降ろしません )。 に傾けます。
警告
サイドスタンド使用時には、車両にまたがらないで下 さい。 サイドスタンドを元の位置 ( 水平位置 ) に戻すには、 車両を 右側に傾けながら、足でフック (1) を持ち上げます。
1
2
J
52
図 39
フロントフォークアジャスターの調整
フロントフォークには、 リバウンド / コンプレッション / ス プリングプリロードダンピングアジャスターが装備されて います。 この調整は外部スクリューアジャスターで行います: 1) 油圧ブレーキのリバウンドダンピング調整 ( 図 40) 2) インナースプリングプリロード調整 ( 図 40) 3) 油圧ブレーキのコンプレッションダンピング調整 ( 図 41) 車両をサイドスタンドを使い、安定した場所に配置します。 油圧ブレーキのリバウンドダンピングを調整するには、 マイ ナスドライバーで、 各フォークレッグの上端部にあるアジャ スター (1) を回します。 油圧ブレーキのコンプレッションダンピングを調整するに は、 マイナスドライバーでフォークボトムエンド後部にある アジャスター (3、図 41) を回します。 スクリュー (1、3) を回すとカチッと言う音がします。一回 の音がダンピング 1 段に相当します。 アジャスターを完全にロックが掛かるまで締めると、 最高の ダンピング値“0”のポジションになります。
1
2
2
1
図 40
J
53
この位置から、 反時計回り方向に廻してカチッという音でダ ンピングを 1 段目、2 段目、…と数えます。 標準設定: 1100S コンプレッション: 完全に閉じた状態から 6 クリック リバウンド: 完全に閉じた状態から 11 クリック スプリングプリロード: 12 mm(完全に開いた状態から7回転) 各フォーク内部のスプリングプリロードを変更するには、 六 角アジャスターナット (2、図 40) を 22 mm の六角レンチで 回します。 1100 コンプレッション: 1. 5 ± 1/4 回転 リバウンド : 1. 5 ± 1/4 回転 スプリングプリロード: 10 mm(完全に開いた状態から3回転) 各フォーク内部のスプリングプリロードを変更するには、 六 角アジャスターナット (2、図 40) を 22 mm の六角レンチで 回します。
3
図 41
重要
両フォークは同じ設定にして下さい。
J
54
リアショックアブソーバーアジャス ターの調整 ( 図 42、図 43)
リアショックアブソーバーは荷重に合わせて調整できるよう外 部アジャスターを装備しています。 アジャスター (1) は、ショックアブソーバーのスイングアーム への固定位置下部、右側にあり、拡張 ( リバウンド ) の時点で 油圧ブレーキを調整します。 ショックアブソーバーのエキスパンションタンク上にあるア ジャスター (2) は油圧ブレーキのコンプレッションダンピング の調整をします。 時計回り方向にアジャスター(1、 2) を回とダンピングが強くな り、反対方向に回すと弱くなります。 1100S アジャスターを完全に時計回りの方向に締めた状態の標準設 定: - アジャスター (1) を 15 段緩めた位置 - アジャスター (2) を 7 段緩めた位置 スプリングプリロード: 19 mm 1100 アジャスターを完全に時計回りの方向に締めた状態の標準設 定: - アジャスター (1) を 15 ± 3 段緩めた位置 - アジャスター (2) を 2 ± 1/4 緩めた位置 スプリングプリロード: 19 mm アブソーバー上部にある 2 つのリングナット (3) は、アウター スプリングプリロードの調整に使用します。 スプリングプリ ロードを変更するには、上部固定リングナットを緩めます。下 部リングナットを締める か緩めるで プリロードが強く か弱 く なります。
2
3
1100S
1
図 42
H S
S H 1
1100
S H 2
H S
警告
ショックアブソーバーには高圧のガスが充填されていま す。未経験者による分解作業は重大な損傷の原因となります。
3
図 43
J
55
リアビューミラーの調整
調整はリングナット (A) を緩めて行います。 リアビューミラーボディー (B) を好みの角度にし、リング ナット (A) を締め付けて固定します。
B A
警告
ミラーの内側を押して調整すると、ミラーが損傷する 危険があります。
図 44
J
56
車高の調整 (1100S)
車高は本社の技術者がさまざまな走行状態でテストを行い 決定しています。 車高の調整は非常にデリケートな作業ですので、 不適切な変 更作業を行うとライダーの身体に危険をもたらします。 標準車高を変更する前に、基準値 (H、図 45) を測定してお くことをお薦めします。 ライダーはショックアブソーバーの位置を変え、 自分のライ ディングスタイルに合わせた車高にセッティングする事が できます ( 図 46)。 リングロッド (2) の軸間をフラット (A) のボールジョイント (1) のナット (3) を緩め、調整します。 調整後はナット (3) を 25 Nm のトルクで締めつけます。 図 45
H
注意
下側のナット (3) は逆ネジですので注意して下さい。
警告
リンケージ (2) 両端にあるボールジョイント (1) の軸 間距離は 255. 5mm を超えてはいけません。
2
2
1
3
3
A
図 46
J
57
ユニボールヘッド (A) のネジ部はネジ山5つ分、 長さにして 7. 5 mm (B) 以上、外に出さないでください。
B
A
図 47
J
58
運転のしかた
全ての機械部分を互いに馴染ませるため、また、エンジンの 主要部分の寿命に悪影響が出ないよう、乱暴な加速と、特に 上り坂での長時間の高速回転は避けて下さい。 定期的にチェーンを点検し、必要であれば潤滑し、調整して 下さい。 1000 ~ 2500 km まで この期間ではエンジンから、 よりパワーを引き出す事は可能 ですが、下記の回転数を決して超えないようにして下さい: 7000 rpm
慣らし運転の方法
慣らし運転時の最高速度 ( 図 48) 慣らし運転期間中の最高許容回転数: 1) 1000 km まで 2) 1000 ~ 2500 km まで 1000 km まで 最初の 1000 km までは、タコメーターに注意し、 5500 ~ 6000 回転 (rpm) を超えてはいけません。 最初の数時間は、 指定回転数の範囲内でエンジンの負荷と回 転数を色々変えることをお勧めします。 このため、エンジン、ブレーキ、サスペンションのより効果 的な慣らしは、カーブの多い、起伏に富んだ場所を走行する ことが理想的です。 最初の 100 km は、ブレーキディスクに対してパッド摩擦材 を適切に慣らすために、優しくブレーキをかけ、急なブレー キングや長いブレーキをかけることは避けて下さい。
J
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重要
慣らしの期間中は、当マニュアルに指定された点検、 整備を必ず受けて下さい。これは保証の必須条件で、 この条 件が順守されなかった結果としてのエンジンの損傷や寿命 の短縮については Ducati モーターホールディング社はいか なる責任も負いません。 慣らし運転の方法を遵守することでエンジンの寿命を延ば し、調整、オーバーホールの回数を減らすことが可能です。
0 ÷ 1. 000 km
1. 000 ÷ 2. 500 km
図 48
J
60
走行前のチェック 警告
走行前にこれらの点検を怠った場合、車両に損傷を与 え、ライダー、及びパッセンジャーを危険に晒す恐れがあり ます。 走行前に以下の点検を実施して下さい: タンク内の燃料残量の点検 タンク内の燃料の残量を確認して下さい。 必要であれば給 油して下さい (66 ページ参照 )。 エンジンオイルレベル クランクケースの点検窓からオイルレベルを 確認して下さい。必要であればオイルを補充して下さい (86 ページ参照 )。 ブレーキ、クラッチ液レベル 各リザーバー内のフルードレベルを確認して下さい。(70 ページ参照 ) タイヤコンディション 空気圧と摩耗度を点検して下さい (84 ページ参照 )。 操作系の点検 ブレーキ、クラッチ、スロットルグリップ、ギアチェンジの 機能を確認します。 ランプ、インジケーター ランプ、インジケーター、ホーンが適切に機能するかを確認 します。 電球が切れている場合には交換して下さい (78 ページ参照 )。
各ロック 燃料タンクキャップ (49 ページ参照 ) 、 パッセンジャーシー ト (50 ページ参照 ) のロック状態をチェックします。 スタンド サイドスタンド (52 ページ参照 ) がスムーズに作動し、 適切 な位置にあるかをチェックして下さい。
警告
不良な点がある場合には、 車両の使用を中止し、 Ducati オフィシャルディーラーにご連絡下さい。
J
61
エンジンの始動 警告
エンジンを始動する前に、運転に必要な操作系の取り 扱いに慣れておいて下さい。 (10 ページ参照 ) 1) イグニッションキーを ON にします ( 図 49)。インストル メントパネル上の緑のランプ N (8、図 4) と赤のランプ (7、図 4) が点灯している事を確認します。
PUSH
ON
FF
ON
O
CK LO
P
IG
NIT
IO
N
重要
オイルプレッシャー警告灯はエンジン始動後、数秒で 消えなければなりません (11 ページ参照 )。 図 49
注意
サ イ ド ス タ ン ド を 降 ろ し、ト ラ ン ス ミ ッ シ ョ ン が ニュートラルの状態でエンジンを始動させることができま す。また、ギアが入った状態で始動する時は、クラッチレ バーを引いて下さい (この場合サイドスタンドは降ろせませ ん) 。
J
62
2) エンジン停止スイッチ (1、 図 50) が (RUN) の位置に なっていることを確認し、始動ボタン (2) を押します。 このモデルにはワンタッチスターター( サーボイグニッショ ン ) が搭載されています。 この機能によりボタン (2) をすぐ放してもエンジンのワン タッチ始動が可能です。 エンジンの自動始動に必要なボタン (2) を押す秒数は、 エン ジンの温度により変わります。 エンジンが作動している時、 このシステムはスターターモー ターのドライブを妨げます。 エンジンが始動しない場合には、2 秒ほど待ってからボタン (2) をもう一度押し直して下さい。 スロットルグリップは回さず、自動的に始動させて下さい。
1
2
図 50
注意
バッテリーが切れているとスターターモーターのドラ イブをシステムが自動的に動かなくします。
重要
エンジンが冷たい間は回転数を上げ過ぎないで下さ い。 潤滑が必要な全ての部分にオイルを行き渡らせるため に、エンジンが温まるのを待ってください。
J
63
車両の発進
1) クラッチレバーを引いてクラッチを切ります。 2) 1 速に変速するためにギアチェンジペダルをつま先で しっかり押し下げます。 3) スロットルグリップを回してエンジンの回転数を上げ、 同時にクラッチレバーを徐々につなぎます。 4) クラッチレバーを完全に離しエンジンの回転数を上げ ます。 5) シフトアップするには、エンジン回転を落とすためにス ロットルを戻し、クラッチを切り、ギアチェンジペダル を上げ、クラッチをつなぎます。 シフトダウンするには、スロットルグリップを戻し、ク ラッチレバーを引いてから、ギアを同調させやすくする ためにエンジンを軽くふかしてシフトダウンし、クラッ チをつなぎます。 操作類は適切に素早く操作しなければなりません。上り 坂を走行する際には、車速が落ちてきたらすぐにシフト ダウンし、車両への異常なストレスやエンジンのノッキ ングを避けて下さい。
ブレーキング
減速するには、 最初にスロットルグリップを戻してエンジン ブレーキをかけ、 それからブレーキングします。エンジンが 急に止まるのを防ぐため、車両が停止する前に、クラッチを 切ります。
警告
レバーかペダルの片方しか使用しない場合はブレーキ 効果が低下します。 ブレーキを強く、 または乱暴にかけるとホイールがロックさ れ、車両のコントロールがきかなくなります。 雨中を走行する際や、 滑りやすい路面上ではブレーキ力が著 しく低下します。 このようなコンディションでは慎重に優 しくブレーキ操作をして下さい。 急ブレーキは車両のコン トロールを失う危険があります。 長く急な下り坂を走行す る際にはシフトダウンしてエンジンブレーキを使用します。 ブレーキは断続的に短時間だけ使用して下さい。 ブレーキの 長時間にわたる連続的使用は、摩耗材の過熱を招き、ブレー キ能力の著しい低下の原因となります。 規定空気圧値外の タイヤはブレーキ力を低下させるとともに摩耗を早め、 また 運転の安全性と、カーブでの安定を欠きます。
重要
キャブレターのオーバーフローやトランスミッション のスナッチを招く激しい加速操作は避けて下さい。ギアを変 速した後もクラッチレバーを引いたままでいると、機械部分 の過熱や摩擦部分の異常な摩耗を引き起こします。
J
64
車両の停止
重要
スロットルグリップを緩めると、 車両は 徐々にスピードを このスイッチを長時間 P の位置にしておくと、バッテ 落とし始めます。 シフトダウンしながらクラッチをつなぎ、 リー切れの原因になります。 監視できない場所にキーを付 最後に 1 速からニュートラルに入れます。ブレーキをかける けたままで車両を駐車しないで下さい。 と、 車両を完全に停止することができます。エンジンを停止 させるには、キーを OFF (40 ページ ) にします。
警告
パーキング
停止させた車両をサイドスタンドを使い駐車します。(52 ページ参照 ) 盗難防止のため、ハンドルを左に振りきり、キーを LOCK の 位置にします。 警告 車両をガレージ、その他の建物内に駐車する際には、換気が 発進を妨げるタイプの盗難防止用ロック ( ディスク 充分され、車両の近くに熱源が無いことを確認して下さい。 ロック、ホイールロック等 ) は大変危険で、車両の機能とラ 必要な場合には、 車両を認識しやすいようにイグニッション イダーおよびパッセンジャーの安全をおびやかす恐れがあ キーをPの位置にするとパーキングランプを点灯しておくこ ります。 とができます。
エキゾーストシステムは、エンジンを止めた後も熱い 場合があります。手を触れないよう充分注意し、車両を木 材、 木の葉などの可燃物のそばに駐車しないようにして下さ い。
J
65
燃料の補給 ( 図 51)
給油時、 燃料を入れすぎないように注意してください。燃料 は給油口の下縁をこえてはいけません。
Max level
警告
ガソリンは無鉛に出来るだけ近いもの、もしくはオク タン数が最低 95 のものを使用してください。(95 ページ” 補 給”参照 ) 給油口の上部に燃料が溜まってないことを確認して下さい。
図 51
J
66
アクセサリー ( 図 52)
左サイドフェアリングのトランクには (51 ページ参照 ): 以下を含むツールキットが装備されています: - スパークプラグ用六角レンチ - スパークプラグレンチ用ボルト - ダブルスクリュードライバー - アレンレンチ 3 - アレンレンチ 4 - アレンレンチ 5 - オープンレンチ 8/10
図 52
J
67
主な整備作業とメンテナンス
フェアリングの取り外し
車両を正しく整備、修理するためには、該当部分を取り外す ことが必要です。
警告
取り外したパーツは正確に取り付け直して下さい。適 切に取り付けられないと、走行中に部品が脱落し、車両のコ ントロールを失なう危険があります。
重要
車体の塗装部分、及びスクリーンのプレキシグラスに 傷を付けないため、 スクリュー再装着の際には常に専用ナイ ロンワッシャーをお使い下さい。
J
68
右サイドパネル シートを持ち上げます。(50 ページ参照 ) プロテクション (2) を固定する 3 本のネジ (1) を緩めます。 プロテクション (2) を外します。 サイドパネル (4) を固定する 3 本のネジ (3) を緩めます。
2
1
図 53
4
3
3
図 54
J
69
ブレーキ / クラッチ液レベルの点検
ブレーキ、クラッチ液のレベルは、絶対に各リザーバータン クの MIN 目盛りより下になってはいけません ( 図 55、 図 56)。 液体レベルが下がりすぎると、回路内にエアが混入し、 システム作動に悪影響を及ぼします。 また、 定期点検表に指示されたブレーキ / クラッチ液補充及 び交換は、 オフィシャルディーラーまたはサービスセンター に依頼して下さい ( 保証書参照 )。
重要
ブレーキ、 クラッチシステムのパイプは 全て 4 年毎に 交換して下さい。 ブレーキシステム ブレーキパッドが磨耗していない、 ブレーキレバーまたはペ ダルに過度の遊びがある場合には、システムを点検し、エア を排出する必要があるため、 Ducati オフィシャルディーラー またはサービスセンターにご連絡下さい。 図 55
警告
ブレーキ / クラッチ液はプラスチックの塗装部分に損 傷を与えますので、 こぼさないようにして下さい。これらは 腐食性で傷損害を与える恐れがあります。 異なった品質の オイルを混ぜないで下さい。 ガスケットの状態をチェックしてください。
J
70
クラッチシステム ( 図 56) クラッチレバーに過度の遊びがあり、ギアチェンジの際ク ラッチにスナッチやジャダーが出る場合は、 システム内にエ アが混入している可能性があります。 システムを点検しエ アを排出する必要があるため、Ducati オフィシャルディー ラーまたはサービスセンターにご連絡下さい。
(MAX) 3 mm
警告
クラッチ液レベルはクラッチディスクが磨耗するとタ ンク内で上昇しやすい性質を持っています。 既定のレベルを 超えないで下さい ( 最小から 3 mm 上 )。
図 56
J
71
ブレーキパッドの摩耗点検 ( 図 57)
フロントブレーキパッドには摩耗点検用マークがあり、 キャ リパーからパッドを外すことなく、 簡単に点検する事ができ ます。 摩耗材の溝が見えるうちはパッドの通常使用範囲で す。 リアブレーキパッドの場合は摩耗材の溝が 1 mm になり ( 図 58)、ピンの間の隙間が見えるようになったら交換する必要 があります。
MIN
重要
ブレーキパッドの交換は Ducati オフィシャルディー ラーまたはサービスセンターで行って下さい。 図 57
J
72
1 mm
図 58
接続部の潤滑
スロットルコントロールケーブル外部のシースの状態を定 期的に点検する必要があります。 外側プラスチック部に亀 裂や押し潰された跡があってはいけません。 操作類を動か して、 被膜の中でケーブルがスムーズに動くか確認して下さ い。もし何らかの抵抗や、動きにくい箇所がある場合には、 Ducati オフィシャルディーラーまたはサービスセンターで ケーブルを交換して下さい。 このようなことを避けるには、2 本の固定ネジ (1、図 59) を 緩めてスロットルを開き、 ケーブル両端とプーリーをグリー ス SHELL Advance Grease または Retinax LX2 で潤滑します。
1
警告
プーリーの中にケーブルを入れ、注意しながらスロッ トルを閉めます。 カバーを付け、ネジ (1) を 6 Nm のトルクで締め付けます。 サイドスタンドのスムーズな作動を確保するために、 汚れを 取り除き、全ての可動部分に指定のグリース SHELL Alvania R3 を塗布して下さい (1、図 60)。 図 59
図 60
J
73
スロットルグリップの調整
スロットルグリップはハンドルのどの位置においても、 遊 びが 1. 5 ~ 2. 0 mm( 図 61) でなければなりません。 調整が必要な場合は、 スロットルボディに設けられたアジャ スター (1) で行ってください ( 図 62)。
1, 5 ÷ 2 mm
1, 5 ÷ 2 mm
重要
スロットルコントロールの空回し調整はディーラーま たはサービスセンターに依頼してください。
図 61
1
J
74
図 62
バッテリーの充電 ( 図 63)
バッテリーを充電する際、 バッテリーを車両から取り外して 下さい。 シートを取り外します (50 ページ参照 ) 。 常に黒のマイナ ス端子 (-) を最初に外し、 続いて赤のプラス端子 (+) を外し ます。 バッテリーサポートブラケットの 2 本の固定ネジ (1) を緩 め、バッテリーサポートを取り外します。
1
警告
バッテリーは可燃性のガスを発生します。火気、熱源 のそばに置かないで下さい。 充電は換気のよい場所で行って下さい。 バッテリーチャージャーの赤いジャックを電極につなぎま す:バッテリーのプラス (+)、 黒いジャックはマイナス (-)。 図 63
警告
バッテリーは幼児の手の届かないところに置いて下さ い。 バッテリーを 0. 9A で 5 ~ 10 時間充電します。
重要
ジャックを電極に接続する際に火花がスパークし、セ ル内の可燃性ガスに引火する危険が あるので、バッテリーへ接続する時は、チャージャーの電源 が入っていないことを確認して下さい。 接続は常に赤の + 極から行って下さい。 バッテリーをサポートに載せ、ブラケットをスクリュー (1) で固定します。 導電性を向上させるために、 締め付けネジに少量のグリース を塗布し、端子を電極に接続します。
J
75
トランスミッションチェーン張力の 点検 ( 図 64)
車両のポジションをチェーンが一番張った状態にします。 サイドスタンドを使用して停車します。 チェーンガード前にメジャーを配置し、 チェーンを下に押し て放します。 スイングアームのアルミニウムとチェーンピンの中心間距 離が 30 ~ 33mm になるように調整します。
重要
調整はディーラーまたはサービスセンターに依頼して ください。
30 ÷ 33 mm
図 64
警告
安全な走行状態を保つにはスイングアームのネジの正 しい締め方がとても重要です (1、図 65)。
重要
不適切なチェーンの張りは、トランスミッション部品 の磨耗を促進させます。
1
J
76
図 65
トランスミッションチェーンの潤滑
この車両には、泥などの侵入を防ぎ、潤滑をより保つ O リン グシールの付いたチェーンが装備されています。 チェーンを洗浄する場合には損傷を防ぐため、 リングシール の 損 傷 を 防 止 す る た め、専 用 の 溶 剤 を 使 用 し て 下 さ い。 ウォッシャー等でスチームや圧力のかかった水で洗浄しな いで下さい。 洗浄後は、コンプレッションエアーでチェーンを乾かし、 SHELL Advance Chain または Advance Teflon Chain で潤滑 します。
重要
規定オイル以外を塗布すると、チェーン、フロント / リアスプロケットに損傷を与える可能性があります。
J
77
ヘッドランプ電球の交換
切れた電球を交換する前に、新しい電球が 102 ページの電 装表の各仕様に適合しているか確認して下さい。 部品を付 け直す前に新しい電球がちゃんと点くか確認してください。 アレンレンチでネジ (1) を緩めます。 ヘッドランプサポートをグリップ(2)が自由になるまで車体 前側に向けて抜きます。 グリップ (2) を反時計回りに回して緩めます。
1
図 66
2
J
78
図 67
ピン (3) を外します。 電球 (4) はバイヨネットベースタイプなので、 取り外すには 押しながら反時計回りに回します。 交換した新しい電球は、 押しながら時計回りにカチッという音がするまで回して取 り付けます。
3
注意
レンズの部分には、絶対に指で触れないで下さい。電 球の高度が落ちる原因となります。
図 68
4
図 69
J
79
リアターンインジケーターランプ電 球の交換
リアターンインジケーターランプ電球の交換は、 ネジ (1) を 緩め、カバー (2) を取り外して行います。
2
1
図 70
J
80
ナンバープレートランプ電球の交換
ラバー (1) を抜き取り、電球を取り外します。
1
図 71
J
81
ヘッドランプの光軸調整
( 図 72)
ヘッドランプの光軸をチェックするには、 適切な空気圧のタ イヤの車両にまたがり、車体を垂直に保ち、縦軸に対して正 しい角度を保持します。車両は壁またはスクリーンから 10m の距離に配置します。 壁にヘッドランプの中心と同じ高さ で水平に線を引き、 また車体の縦軸に一致する垂直線も引き ます。 この作業はできれば薄明時に実施して下さい。 ロービームを点灯します: 光の照射範囲の高さが ( 照射された部分と明るいの部分と の境界の上限 )、地上からヘッドランプの中心までの高さの 9/10 以下でなければなりません。
9 x 10 10 m
x
注意
この方法は、イタリアの基準で制定された照射角度に 準拠したものです。 イタリア以外の国での使用は、 それぞれの国で法律に従い調 整してください。
図 72
J
82
ヘッドランプの光軸調整 ( 図 74) アレンレンチでスクリュー (1) を緩め、 ヘッドランプサポー トを車両前方へ向けてヘッドランプ調整用ネジで操作が出 来るまで抜き出します。 水平方向の光軸調整は、ネジ (2) を手で操作します。 垂直方向の光軸調整は、ネジ (3) を手で操作します。
重要
ネジ (2)(3) は調整用のため、 締め付ける事ができませ ん。
1
図 73
2
3
図 74
J
83
チューブレスタイヤ
フロントタイヤ空気圧: 2. 2 bar リアタイヤ空気圧: 2. 2 bar
タイヤの修理、交換 ( チューブレス ) タイヤに小さな穴が開いた場合、 チューブレスタイヤであれ ば空気の減り方が遅いため、気付くまで時間がかかります。 タイヤの空気圧が下がってきた場合には、 パンクの可能性を チェックして下さい。
注意
パッセンジャーを乗せている場合、リアタイヤの空気 圧を 2. 4bar にアップしてください。 タイヤの空気圧は気温や標高の影響も受けますので走行す る場所の気温と標高の条件に合わせて調整することをお薦 めします。
警告
タイヤがパンクした場合はタイヤを交換して下さい。 交換する際は、標準装備タイヤと同じメーカー、タイプを御 指定ください。 走行中のエア漏れを防ぐため、タイヤのバルブキャップが しっかり締まっていることを確認して下さい。 チューブタ イプのタイヤは絶対に使用しないで下さい。 突然タイヤが破 裂し、ライダー、パッセンジャーに危険を及ぼします。
タイヤ交換の後には、必ずバランスチェックを行って下さ タイヤの空気圧は“タイヤ冷間時”に測定しなければ い。 なりません。 フロントホイールリムがダメージを受けないように、 悪路を 重要 走行する時はタイヤの空気圧を 0. 2~ 0. 3bar上げて下さい。 ホイールのバランスウェイトを外したり、移動させた りしないで下さい。
重要
注意
タイヤの交換が必要な場合は、ホイールが正しく脱着 できるように、Ducati オフィシャルディーラーまたはサー ビスセンターにお任せ下さい。
J
84
タイヤ摩耗の限界 タイヤのトレッド面が一番摩耗している所 (S、図 75) で溝 の深さを測定して下さい: 溝の深さは 2mm 以下、 または道交法の規定値以下であっては なりません。
S
重要
タイヤに傷やヒビがないか、特に側面を注意深く目視 点検し、ひどい損傷がある場合には交換して下さい。出っ張 りや他と大きく異なる箇所は内部の損傷を表わしているの で、タイヤを交換しなければなりません。 トレッドに入り込んだ石や異物は取り除いて下さい。 図 75
J
85
エンジンオイルレベルの点検 ( 図 76)
エンジンオイルレベルは車両右側面クラッチカバーの 上にある点検窓 (1) から目視点検することが出来ます。レベ ルチェックは車体を垂直に配置し、 エンジンが冷えた状態で 行ってください。オイル液面は、 点検窓の横に指示された目 盛間になければなりません。 オイルレベルが低い時にはエ ンジンオイル SHELL Advance Ultra 4 を補充する必要があり ます。フィラーキャップ (2) を開け、 オイルを正しいレベル まで補充します。キャップを閉じて下さい。
2
1
重要
定期点検表保証書に指示されている、エンジンオイル とフィルターの交換は、 オフィシャルディーラーまたはサー ビスセンターに依頼して下さい。 粘度 SAE 15W-50 車両使用環境の気温が表示された指定範囲内であれば、 表に 示された以外の粘度のオイルも使用できます。
Unigrade
図 76
10W 20W 20 30 40 20W–40 20W–50 15W–40 15W–50 10W–40 10W–30 –10 0 10 20 30 40 C
J
86
Multigrade
スパークプラグの清掃と交換
( 図 77)
スパークプラグはスムーズなエンジンの作動に重要で、 定期 的な点検が必要です。 定期的に検査をすることにより良好なエンジンの状態を保 つ事が可能にもなります。 スパークプラグの点検、 または交換はディーラーまたはサー ビスセンターに依頼してください。 中央電極のセラミック製 絶縁体の色をチェックします:均等な薄い茶色の場合はエン ジンの良好な状態を示します。 中央電極の摩耗状態、 電極間の距離が 0. 6mm ~ 0. 7mm である かを確認して下さい。
0, 6÷0, 7 mm
重要
広すぎたり、狭すぎたりするとエンジン性能に影響を 及ぼし、 また、 始動困難やアイドリングの不安定を招きます。 図 77
J
87
車両の清掃
ペンキ塗装部分とメタリック塗装部分のオリジナルな艶を 長い間保つため、走行する道路のコンディションに合わせ て、車両を定期的に清掃、洗車しなければなりません。車両 に損傷を与えないように、 強すぎる洗剤や溶剤を使用しない ために専用の洗剤と水を使って洗車して下さい。
警告
洗車後は、ブレーキ能力が落ちることがあります。ブ レーキディスクには絶対に、 グリースやその他のいかなるオ イルも付けないで下さい。 ブレーキ能力が失われます。ディ スクは非油性の溶剤にて清掃してください。
重要
走行後のボディがまだ暖かい間は、水染み等を防ぐた めすぐには洗車をしないで下さい。高温や、 ウオッシャー等 の圧力のかかった水で洗浄しないで下さい。 ウオッシャー 等の使用は、サスペンションやホイールベアリング、電装部 分、エアー吸入口、サイレンサーの磨耗や変形をもたらすお それがあります。 エンジンが酷く汚れている場合は、脱脂剤をトランスミッ ション類 ( チェーン、 スプロケット等 ) に付かないように気 を付けながら清掃してください。水道水で良くすすぎ、 車体 全表面部をセーム革で拭きます。
J
88
長期間の不使用
車両を長期間使用しない場合、 保管する前に以下の作業を実 施するようお薦めします: 車両を清掃します。 燃料タンクを空にします。 スパークプラグのベースから少量のエンジンオイルをシリ ンダーに入れ、 手でエンジンを数回転させシリンダー内壁に 保護膜を形成させます。 車両をスタンドに立てかけて停車します。 ケーブルを外し、バッテリーを取り外します。 1ヶ月以上車両を使用しなかった場合には、バッテリーの点 検と充電、交換を行う必要があります。 カ バ ー で、車 両 を 覆 い ま す。こ の カ バ ー は Ducati Performance で取り扱われています。塗装部分を保護し、湿 度を溜め込まない素材で出来ています。
重要注意事項
国によっては ( フランス、ドイツ、イギリス、スイス等 ) 排 気ガス、騒音規制の基準を設けている場合があります。 法に義務付けられた定期点検を行う他、 規制に適さない部品 がある場合は、適合する Ducati オリジナルパーツと取り代 えて下さい。
J
89
メンテナンス
定期メンテナンスプログラム:ディーラーが実施する作業
Km. x1000 メンテナンス項目 / 作業内容 ( ㎞ / マイル毎、または経過時間 *) エンジンオイルの交換 エンジンオイルフィルターの交換 エンジンオイルインテークフィルターの清掃 エンジンオイルプレッシャーの点検 バルブの遊び点検、調整 (1) タイミングベルト張力の点検 (1) タイミングベルトの交換 スパークプラグの点検と清掃 必要であれば交換 エアフィルターの点検と清掃 (1) マイル x1000 月数 1 0. 6 6 12 7. 5 12 24 15 24 36 22. 5 36 48 30 48 60 37. 5 60
• •
• • • • • •
• • • • • • • •
• • • • • • •
• • • • • • • •
• • • • • •
J
エアフィルターの交換 スロットルボディの点検 ( 同調とアイドリング )(1)
90
Km. x1000 メンテナンス項目 / 作業内容 ( ㎞ / マイル毎、または経過時間 *) ブレーキ / クラッチ液レベルの点検 ブレーキ / クラッチ液の交換 ブレーキ / クラッチコントロールの点検、調整 スロットル / スターターの点検と潤滑 タイヤ圧、磨耗点検 ブレーキパッドの点検 必要であれば交換 ステアリングヘッドベアリングの点検 チェーン張力、アライメントの点検と潤滑 クラッチプレートの点検 必要であれば交換 (1) リアホイールの伸縮ジョイント点検 ホイールハブベアリングの点検 ランプ、インジケーターの点検 エンジン~フレーム固定スクリュー、ナット締め付け点検 サイドスタンドの点検 フロントホイールのナット締め付け点検 リアホイールのナット締め付け点検 アウターフューエルホースの点検 フロントフォークオイルの交換 フロントフォーク / リアショックアブソーバーオイル漏れ点検 マイル x1000 月数
1 0. 6 6
12 7. 5 12
24 15 24
36 22. 5 36
48 30 48
60 37. 5 60
•
• • • • • • • • • • • • • •
• • • • • • • • • • • • • • • • •
• • •
• • • • • • • • • • • • • • • •
• • • • • • • • • • • • • • • • •
• • • • • • • • • • • • • •
91
J
Km. Bk/V W Gr W V Lb Bk/V W Bk/G O Bn/R G/Y Bn/W P/Y Gr/G Gr/B
SC 1 2 3 2 1 A
Bn/W 2 1
Bn/W
Bn/W
Lb
G/B R/Bk
Bk/B
B
C
2
1
A B C D
f
1
f
1
1 2 3 4
2
2
OIL
SMOT
POT
V
O
25 27
24
1 2
1 2
CALZA C. CAVO SCHERM.
CAVO SCHERM.
f f f
Bn/W G/Y
HYPERMOTARD / 1100 S
34
Bk/V
Bk/G Br/G O
Bn/W P/Y
W
A B C
1 2
3 2 1
A B C
28
V
1 2
O
1 2
f f
f f f
f f
30 31
29
f f
26
23
22
33
32
f
3
B/Bk
Gr/Y
Bk/W
AMP
Bk/V
Bn/R
G/Bk
W/G
W/Bk
W
R/B
Gr
W/R
f
O
Bk/O
G/R
Gr/Bk
V/Bk
Y/R
Y/Bk
Bk
B
SSS
2
f
BODY 1 BODY 4 BODY 6 BODY 8 BODY 11 BODY 16 BODY 17 BODY 20 BODY 22 BODY 24 BODY 27 BODY 28 BODY 29 BODY 32 BODY 33 BODY 38
Bk/B R/Y Bn/Bk W/Bk Bk/B O/W R/Bk G/Bk Lb G P/Bk W/B Gr/G
1
O G Bk/B
1 2 3
HALL SPEED
20 21
G/B
N. C. W/R Bk/V
f
f
f
f
f
f
f [. . . ] CAVO SCHERM.
CAVO SCHERM.
f f f
Bn/W G/Y
HYPERMOTARD / 1100 S
34
Bk/V
Bk/G Br/G O
Bn/W P/Y
W
A B C
1 2
3 2 1
A B C
28
V
1 2
O
1 2
f f
f f f
f f
30 31
29
f f
26
23
22
33
32
f
3
B/Bk
Gr/Y
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AMP
Bk/V
Bn/R
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W
R/B
Gr
W/R
f
O
Bk/O
G/R
Gr/Bk
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Y/R
Y/Bk
Bk
B
SSS
2
f
BODY 1 BODY 4 BODY 6 BODY 8 BODY 11 BODY 16 BODY 17 BODY 20 BODY 22 BODY 24 BODY 27 BODY 28 BODY 29 BODY 32 BODY 33 BODY 38
Bk/B R/Y Bn/Bk W/Bk Bk/B O/W R/Bk G/Bk Lb G P/Bk W/B Gr/G
1
O G Bk/B
1 2 3
HALL SPEED
20 21
G/B
N. C. [. . . ]
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