ユーザーズガイド HP DATA PROTECTOR V5.5 SOFTWARE OPENVIEW STORAGE DATA PROTECTOR V5.5 CONCEPTS GUIDE (B6960-99105, OCTOBER 2004)

Lastmanualsはユーザー主導型のハードウエア及びソフトウエアのマニュアル(ユーザーガイド・マニュアル・クイックスタート・技術情報など)を共有・保存・検索サービスを提供します。 製品を購入する前に必ずユーザーガイドを読みましょう!!!

もしこの書類があなたがお探しの取扱説明書・マニュアル・機能説明・回路図の場合は、今すぐダウンロード。Lastmanualsでは手軽に早くHP DATA PROTECTOR V5.5 SOFTWAREのユーザマニュアルを入手できます。 HP DATA PROTECTOR V5.5 SOFTWAREのユーザーガイドがあなたのお役に立てばと思っています。

HP DATA PROTECTOR V5.5 SOFTWAREのユーザーガイドをLastmanualsがお手伝いします。


Mode d'emploi HP DATA PROTECTOR V5.5 SOFTWARE
Download

この製品に関連したマニュアルもダウンロードできます。

   HP DATA PROTECTOR V5.5 SOFTWARE OPENVIEW STORAGE DATA PROTECTOR V5.5 SOFTWARE RELEASE NOTES (6960-99116, OCTOBE (960 ko)
   HP DATA PROTECTOR V5.5 SOFTWARE OPENVIEW STORAGE DATA PROTECTOR V5.5 ZERO DOWNTIME BACKUP CONCEPTS GUIDE (B6960 (4561 ko)
   HP DATA PROTECTOR V5.5 SOFTWARE OPENVIEW STORAGE DATA PROTECTOR V5.5 INSTALLATION AND LICENSING GUIDE (B6960-99 (4152 ko)
   HP DATA PROTECTOR V5.5 SOFTWARE OPENVIEW STORAGE DATA PROTECTOR V5.5 ADMINISTRATORS GUIDE (B6960-99106, OCTOBER (6680 ko)
   HP DATA PROTECTOR V5.5 SOFTWARE OPENVIEW STORAGE DATA PROTECTOR V5.5 INTEGRATION GUIDE FOR IBM APPLICATIONS: IN (5139 ko)
   HP DATA PROTECTOR V5.5 SOFTWARE OPENVIEW STORAGE DATA PROTECTOR V5.5 INTEGRATION GUIDE FOR MICROSOFT APPLICATIO (7993 ko)
   HP DATA PROTECTOR V5.5 SOFTWARE OPENVIEW STORAGE DATA PROTECTOR V5.5 INTEGRATION GUIDE FOR ORACLE AND SAP (B696 (6254 ko)
   HP DATA PROTECTOR V5.5 SOFTWARE OPENVIEW STORAGE DATA PROTECTOR V5.5 INTEGRATION GUIDE FOR SYBASE, NETWORK NODE (4277 ko)
   HP DATA PROTECTOR V5.5 SOFTWARE OPENVIEW STORAGE DATA PROTECTOR V5.5 ZERO DOWNTIME BACKUP ADMINISTRATORS GUIDE (5818 ko)
   HP DATA PROTECTOR V5.5 SOFTWARE (7799 ko)
   HP data protector v5.5 software annexe 1 (619 ko)
   HP DATA PROTECTOR V5.5 SOFTWARE DATA PROTECTOR 5.5 VSS SUPPORT MATRIX (73 ko)
   HP DATA PROTECTOR V5.5 SOFTWARE DATA PROTECTOR 5.5 DEVICE SUPPORT MATRIX (1653 ko)
   HP DATA PROTECTOR V5.5 SOFTWARE DATA PROTECTOR 5.5 DIRECT BACKUP SUPPORT MATRIX (51 ko)
   HP DATA PROTECTOR V5.5 SOFTWARE DATA PROTECTOR 5.5 DISASTER RECOVERY SUPPORT MATRIX (59 ko)
   HP DATA PROTECTOR V5.5 SOFTWARE DATA PROTECTOR 5.5 EMC SPLIT-MIRROR BACKUP INTEGRATION (126 ko)
   HP DATA PROTECTOR V5.5 SOFTWARE DATA PROTECTOR 5.5 PLATFORM & INTEGRATION SUPPORT MATRICES (215 ko)
   HP DATA PROTECTOR V5.5 SOFTWARE DATA PROTECTOR 5.5 FC/SAN BACKUP SOLUTION COMPATIBILITY MATRIX (204 ko)
   HP DATA PROTECTOR V5.5 SOFTWARE DATA PROTECTOR 5.5 NETWORK ATTACHED STORAGE (NAS) SUPPORT MATRIX (83 ko)
   HP DATA PROTECTOR V5.5 SOFTWARE OPENVIEW STORAGE DATA PROTECTOR V5.5 CONCEPTS GUIDE (B6960-90105, APRIL 2005) (5682 ko)
   HP DATA PROTECTOR V5.5 SOFTWARE DATA PROTECTOR 5.5 INSTANT RECOVERY & ZERO DOWNTIME BACKUP SUPPORT MATRIX FOR S (122 ko)
   HP DATA PROTECTOR V5.5 SOFTWARE DATA PROTECTOR 5.5 INSTANT RECOVERY & ZERO DOWNTIME BACKUP SUPPORT MATRIX FOR S (152 ko)
   HP DATA PROTECTOR V5.5 SOFTWARE DATA PROTECTOR 5.5 ZERO DOWNTIME (SPLIT-MIRROR) BACKUP & INSTANT RECOVERY SUPPOR (153 ko)
   HP DATA PROTECTOR V5.5 SOFTWARE DATA PROTECTOR 5.5 ZERO DOWNTIME BACKUP & INSTANT RECOVERY SUPPORT MATRIX FOR S (89 ko)
   HP DATA PROTECTOR V5.5 SOFTWARE OPENVIEW STORAGE DATA PROTECTOR V5.5 MEDIA OPERATIONS RELEASE NOTES (B7129-9000 (77 ko)
   HP DATA PROTECTOR V5.5 SOFTWARE OPENVIEW STORAGE DATA PROTECTOR V5.5 SOFTWARE RELEASE NOTES (6960-90116, OCTOBE (1130 ko)
   HP DATA PROTECTOR V5.5 SOFTWARE OPENVIEW STORAGE DATA PROTECTOR V5.5 ZERO DOWNTIME BACKUP CONCEPTS GUIDE (B6960 (2826 ko)
   HP DATA PROTECTOR V5.5 SOFTWARE OPENVIEW STORAGE DATA PROTECTOR V5.5 INSTALLATION AND LICENSING GUIDE (B6960-90 (4036 ko)
   HP DATA PROTECTOR V5.5 SOFTWARE OPENVIEW STORAGE DATA PROTECTOR V5.5 MEDIA OPERATIONS QUICK AND EASY INSTALLATI (115 ko)
   HP DATA PROTECTOR V5.5 SOFTWARE DATA PROTECTOR TO SIM INTEGRATION GUIDE - INTEGRATING OPENVIEW STORAGE DATA P (417 ko)

マニュアル抽象的: マニュアル HP DATA PROTECTOR V5.5 SOFTWARE OPENVIEW STORAGE DATA PROTECTOR V5.5 CONCEPTS GUIDE (B6960-99105, OCTOBER 2004)

詳しい操作方法はユーザーガイドに記載されています。

[. . . ] HP OpenView Storage Data Protector コンセプト・ガイド 出版年月 : 2004 年 10 月 Manufacturing Part Number : B6960-99105 リリース A. 05. 50 © Copyright 2004 Hewlett-Packard Development Company, L. P. ご注意 1. 本書に記載した内容は、予告なしに変更することがあります。 2. 当社は、本書に関して特定目的の市場性と適合性に対する保証を含む一切の保証をいたしか ねます。 3. 当社は、本書の記載事項の誤り、またはマテリアルの提供、性能、使用により発生した 損害 については責任を負いかねますのでご了承ください。 4. [. . . ] 複製セットと複製セットのローテーション . 基本的な構成 : 単一のディスク・アレイ ( デュアル・ホスト ) . サポートされるその他の構成 . 294 295 295 296 297 298 299 299 301 301 302 305 13. Microsoft Volume Shadow Copy サービス 本章の内容 . Data Protector と Volume Shadow Copy の統合 . VSS ファイルシステムのバックアップと復元 . バックアップ・シナリオ 本章の内容 . 320 322 322 325 326 338 338 340 342 B. 例 1: ファイルシステム・バックアップの自動メディア・コピー . 例 2: Oralce データベース・バックアップの自動メディア・コピー . 360 361 363 363 369 372 372 372 用語集 索引 xii 出版履歴 マニュアルの出版の日付と部品番号は、そのマニュアルの最新の版数を示しています。出版の日 付は、最新版ができるたびに変更します。内容の小さな変更に対しては、増刷の際に対応し、出 版日の変更は行いません。マニュアルの部品番号は、改訂が行われるたびに変更します。 新版の作成は、記載内容の訂正またはドキュメント製品の変更にともなって行われます。お手元 のマニュアルが最新のものか否かは、当社の営業担当または購入された販売会社にお問い合わせ ください。詳細については、HP の営業担当にお問い合わせください。 表 1 出版履歴 部品番号 B6960-99080 B6960-99105 出版年月 2003 年 6 月 2004 年 10 月 製品 Data Protector リリース A. 05. 10 Data Protector リリース A. 05. 50 xiii xiv 表記法 字体 『マニュアル』 説明 マニュアル名または書籍名 例 詳細は、 『HP OpenView Storage Data Protector インテグレーション ガイド』を参照してください。 プロンプトで、次のように入力しま す。 rlogin your_name このとき、your_name にはログイン 名を指定します。 Data Protector Cell Manager は . . . プロンプトで、次のように入力しま す。ls -l Italic コマンドの入力時に指定する必要があ る変数 Bold、ゴシック体 入力 コンピュータ文字 用語 ユーザーが入力する必要があるテキス ト コンピュータディスプレイの項目 次のシステムメッセージが表示さ れます。 Are you sure you want to remove current group? コマンド名 ファイル名とディレクトリ名 プロセス名 ウィンドウ / ダイアログボックス名 grep コマンドを使用して、. . . /usr/bin/X11 Data Protector Inet が実行中かど うかチェックします。 [ バックアップ・オプション ] ダイア ログ・ボックスで . . . 詳細は、omnib のマン・ページを参照 してください。 次の手順に従う必要があります。 Return を押します。 マン・ページ名 強調 キーキャップ 強調表示 キーボードのキー ユーザーインタフェースのボタン [ ボタン ] [OK] をクリックします。 [ 適用 ] ボタンをクリックします。 xv Data Protector では、クロスプラットフォーム (Windows と UNIX) のグラフィカル・ユー ザー・ インタフェースを提供します。Data Protector のグラフィカル・ユーザー・インタフェー スについては、 『HP OpenView Storage Data Protector 管理者ガイド』を参照してください。 図 1 Data Protector グラフィカル・ユーザー・インタフェース xvi 当社へのお問い合わせについて 概要 Data Protector の概要については、以下の Web サイトでご覧いただけます。 http://www. hp. com/go/dataprotector ( 英語版 ) http://h50146. www5. hp. com/products/storage/software/dataprotector/index. html ( 日本語版 ) テクニカル サポート テクニカル サポート情報については、HP エレクトロニック サポート センタの下記の Web サイ トをご覧ください。 http://support. openview. hp. com/support. jsp http://www. hp. com/support Data Protector の最新のパッチ情報については、以下をご覧ください。 http://support. openview. hp. com/patches/patch_index. jsp Data Protector に必要なパッチ情報は、 『HP OpenView Storage Data Protector ソフトウェア リ リース ノート』を参照してください。 当社では他社製のハードウェアおよびソフトウェアのサポートは行っておりません。他社製製品 のサポートは各ベンダーにお問い合わせください。 ドキュメントに関するご意見 ドキュメントに関するお客様のご意見を基に、お客様のご要望を理解し、ご要望に沿ったドキュ メントの開発に努めていきたいと思っております。ドキュメントに関するご意見は、当社の以下 のドキュメント専用サイトへお送りください。 http://ovweb. external. hp. com/lpe/doc_serv/ ( 英語版 ) http://welcome. hp. com/country/jp/ja/contact_us. html ( 日本語版 ) トレーニング情報 HP OpenView に関して現在可能なトレーニングの情報については、下記の HP OpenView の Web サイトをご覧ください。 http://www. openview. hp. com/training/ ( 米国 ) http://www. hp. com/jp/education ( 日本 ) xvii 上記のサイトにリンクすると、トレーニング クラスのスケジュールや、カスタマ サイトでのト レーニング、クラス登録などに関する情報をご覧いただけます。 xviii Data Protector のドキュメント Data Protector のドキュメントは、マニュアルとオンライン・ヘルプの形式で提供されます。 マニュアル Data Protector のマニュアルは印刷形式と PDF 形式で提供されます。PDF ファイルは Data Protector のセットアップ時に Windows の場合は User Interface コンポーネントを、UNIX の場合は OB2-DOCS コンポーネントを選択してインストールします。PDF ファイルをインス トールすると、マニュアルは Windows では <Data_Protector_home>¥docs ディレクトリ、 UNIX では、/opt/omni/doc/ja ( 日本語版 )、/opt/omni/doc/C/ ( 英語版 ) ディレクトリに保 存されます。また以下の URL でも PDF 形式のマニュアルを入手できます。 http://ovweb. external. hp. com/lpe/doc_serv/ ( 英語版 ) http://www. hp. com/jp/manual/ ( 日本語版 ) 『HP OpenView Storage Data Protector コンセプト・ガイド』 このマニュアルでは、Data Protector のコンセプトを解説するとともに、Data Protector の動作 原理を詳細に説明しています。手順を中心に説明している『HP OpenView Storage Data Protector 管理者ガイド』と併せてお読みください。 『HP OpenView Storage Data Protector 管理者ガイド』 このマニュアルでは、バックアップ管理者が実行する主な構成および管理作業 ( デバイスの構 成、メディアの管理、バックアップの構成、データの復元など ) について説明します。 『HP OpenView Storage Data Protector インストールおよびライセンス・ガイド』 このマニュアルでは、お使いの環境のオペレーティング・システムとアーキテクチャを考慮した 上での Data Protector ソフトウェアのインストール方法を説明しています。また、Data Protector のアップグレード方法や、環境に適したライセンスの取得方法についても説明してい ます。 『HP OpenView Storage Data Protector インテグレーション ガイド』 このマニュアルでは、さまざまなデータベースやアプリケーションをバックアップ / 復元するた めの Data Protector の構成 / 使用方法を説明しています。このマニュアルは、バックアップ管理 者やオペレータを対象としています。このマニュアルには以下の 4 種類のバージョンが提供され ています。 xix • 『HP OpenView Storage Data Protector インテグレーション ガイド - Microsoft アプリケー ション : SQL Server 7/2000、Exchange Server 5. x、Exchange Server 2000/2003、Volume Shadow Copy Service』 このマニュアルでは、Microsoft アプリケーション (Microsoft Exchange Server 2000/2003、 Microsoft Exchange Server 5. x、Microsoft SQL Server 7/2000、および Volume Shadow Copy Service) に対応する Data Protector の統合ソフトウェアついて説明します。 • 『HP OpenView Storage Data Protector インテグレーション ガイド - Oracle、SAP』 このマニュアルでは、Oracle、SAP R3、SAP DB に対応する Data Protector の統合ソフト ウェアについて説明します。 • 『HP OpenView Storage Data Protector インテグレーション ガイド - IBMアプリケーション: Informix、DB2、Lotus Notes/Domino』 このマニュアルでは、IBM のアプリケーション (Informix、IBM DB2、および Lotus Notes/Domino) に対応する Data Protector の統合ソフトウェアについて説明します。 • 『HP OpenView Storage Data Protector インテグレーション ガイド - Sybase、Network Node Manager、Network Data Management Protocol』 このマニュアルでは、Sybase、Network Node Manager および Network Data Management Protocol に対応する Data Protector の統合ソフトウェアについて説明します。 『HP OpenView Storage Data Protector Integration Guide for HP OpenView』 このマニュアルでは、HP OpenView Service Information Portal、HP OpenView Service Desk および HP OpenView Reporter に対応する Data Protector 統合ソフトウェアのインストール、 構成、使用方法について説明します。このマニュアルは、バックアップ管理者を対象としていま す。OpenView アプリケーションを使用して Data Protector のサービス管理を行う方法を説明 します。 『HP OpenView Storage Data Protector Integration Guide for HP OpenView Operations for UNIX』 このマニュアルでは、UNIX 版の HP OpenView Operations (OVO)、HP OpenView Service Navigator、および HP OpenView Performance (OVP) にを使用して Data Protector 環境の健全 性と性能を監視 / 管理する方法について説明します。 『HP OpenView Storage Data Protector Integration Guide for HP OpenView Operations for Windows』 xx このマニュアルでは、Windows 版の HP OpenView Operations (OVO)、HP OpenView Service Navigator、および HP OpenView Performance (OVP) にを使用して Data Protector 環境の健全 性と性能を監視 / 管理する方法について説明します。 『HP OpenView Storage Data Protector ゼロ ダウンタイム バックアップ コンセプト ガイ ド』 このマニュアルでは、Data Protector ゼロ ダウンタイム バックアップとインスタント・リカバ リのコンセプトについて解説するとともに、ゼロ ダウンタイム バックアップ環境における Data Protector の動作原理を詳細に説明します。手順を中心に説明している『HP OpenView Storage Data Protector ゼロ ダウンタイム バックアップ 管理者ガイド』および『HP OpenView Storage Data Protector ゼロ ダウンタイム バックアップ インテグレーション ガイド』と併せてお読みく ださい。 『HP OpenView Storage Data Protector ゼロ ダウンタイム バックアップ 管理者ガイド』 このマニュアルでは、HP StorageWorks Virtual Array、HP StorageWorks Enterprise Virtual Array、EMC Symmetrix Remote Data Facility および TimeFinder、HP StorageWorks Disk Array XP に対応する Data Protector 統合ソフトウェアのインストール、構成、使用方法につい て説明します。このマニュアルは、バックアップ管理者やオペレータを対象としています。ファ イルシステムやディスク イメージのゼロ ダウンタイム バックアップ、インスタント・リカバリ および復元についても説明します。 『HP OpenView Storage Data Protector ゼロ ダウンタイム バックアップ インテグレーショ ン ガイド』 このマニュアルでは、Oracle、SAP R/3、Microsoft Exchange Server 2000/2003、および Microsoft SQL Server 2000 データベースのゼロ ダウンタイム バックアップ、インスタント・リ カバリ、および標準復元を行うための、Data Protector の構成方法および使用法について説明し ます。また、Microsoft Volume Shadow Copy Service を使用してバックアップおよび復元を行 うための、Data Protector の構成方法および使用法についても説明します。 『HP OpenView Storage Data Protector MPE/iX System User Guide』 このマニュアルでは、MPE/iX クライアントの構成方法と MPE/iX データのバックアップおよび 復元方法を説明します。 『HP OpenView Storage Data Protector Media Operations User's Guide』 このマニュアルでは、オフラインのストレージ・メディアの追跡方法と管理方法を説明します。 このマニュアルは、システムの保守とバックアップを担当するネットワーク管理者を対象として います。アプリケーションのインストールと構成、日常のメディア操作、およびレポート作成の タスクについて説明します。 『HP OpenView Storage Data Protector ソフトウェア リリース ノート』 xxi このマニュアルでは、HP OpenView Storage Data Protector A. 05. 50 の新機能を説明していま す。また、サポートされる構成 ( デバイス、プラットフォーム、オンライン データベースの統 合、SAN、ZDB)、必要なパッチ、制限事項、既知の問題と対応策についても説明しています。 サポートされる構成の 最新情報については以下の URL を参照してください。 http://www. openview. hp. com/products/datapro/spec_0001. html ( 英語 ) オンライン・ヘルプ Data Protector は Windows および UNIX の各プラットフォーム用にオンライン・ヘルプ ( コン テキスト依存ヘルプ ([F1] キー ) および [ ヘルプ ] トピック ) を備えています。 xxii 本書について 『HP OpenView Storage Data Protector コンセプト・ガイド』は Data Protector の概念について 説明したものです。このマニュアルに目を通し、Data Protector の基礎知識と基準について十分 に熟知してください。 対象読者 本書は、Data Protector 機能の概念を紹介し、企業におけるバックアップ方針の構築にお役立て いただくことを目的としています。より詳しい作業手順については、本書と併せて『HP OpenView Storage Data Protector 管理者ガイド』をご覧ください。 xxiii 本章の構成 本書は、以下の章で構成されています。 第1章 第2章 第3章 第4章 第5章 第6章 第7章 第8章 第9章 第 10 章 第 11 章 第 12 章 第 13 章 付録 A 付録 B 用語集 1 ページの「バックアップと Data Protector」 27 ページの「バックアップ方針の策定」 123 ページの「メディア管理とデバイス」 179 ページの「ユーザーとユーザー・グループ」 185 ページの「Data Protector 内部データベース」 213 ページの「サービス管理」 233 ページの「Data Protector が機能する仕組み」 251 ページの「データベース・アプリケーションとの統合」 259 ページの「ダイレクト・バックアップ」 273 ページの「ディスク・バックアップ」 281 ページの「スプリット・ミラーの概念」 293 ページの「スナップショットの概念」 307 ページの「Microsoft Volume Shadow Copy サービス」 319 ページの「バックアップ・シナリオ」 359 ページの「その他の情報」 本書で使用する用語の定義 xxiv 1 バックアップと Data Protector 第1章 1 バックアップと Data Protector 本章の内容 本章の内容 この章では、バックアップと復元の概念について説明します。以下では、Data Protector のアー キテクチャ、メディア管理、ユーザー・インタフェース、バックアップ・デバイス、およびその 他の機能について説明していきます。また、Data Protector のセットアップ時に必要となる、 Data Protector の構成方法などについても最後に簡単に紹介しています。 この章の構成は以下のとおりです。 3 ページの「Data Protector について」 7 ページの「バックアップと復元の概要」 10 ページの「Data Protector アーキテクチャ」 15 ページの「企業環境」 19 ページの「メディア管理」 21 ページの「バックアップ・デバイス」 22 ページの「ユーザー・インタフェース」 24 ページの「Data Protector のセットアップ作業の概要」 2 第1章 バックアップと Data Protector Data Protector について Data Protector について HP OpenView Storage Data Protector は、急速に増加するビジネス・データに対して、信頼性 の高いデータ保護と優れたアクセス容易性を提供する、バックアップ・ソリューションです。 Data Protector は、特に全社レベルでの管理作業や分散環境に適した、包括的なバックアップ機 能および復元機能を提供します。Data Protector の主要な特徴の一覧を以下に示します。 • 拡張性と柔軟性に優れたアーキテクチャ Data Protector は、単一のシステムを使用する環境から、複数のサイト上に何千ものシステ ムが存在するような環境に至るまで、さまざまな状況で使用できます。Data Protector では ネットワーク・コンポーネントの概念が採用されているため、バックアップ基盤を構成する 各コンポーネントは、希望する構成に応じてさまざまなトポロジー内に自由に配置できま す。また、バックアップ基盤をセットアップするためのバックアップ・オプションと選択肢 が豊富に用意されているため、必要に応じて、事実上どのような形ででも実装することが可 能です。さらに、Data Protector では、ディスクステージングなどの、バックアップ分野の 高度な概念を利用することができます。 • 中央管理の容易性 Data Protector では、操作性に優れたグラフィック・ユーザー・インタフェース (GUI) を使 用して、中心となる 1 つのシステムから、バックアップ環境全体を管理できます。この GUI を複数のシステム上にインストールしておくと、複数の管理者がそれぞれローカルにインス トールされたコンソールから Data Protector にアクセスできるようになり、管理作業が容易 になります。さらに中心となる 1 つのシステムから、複数のバックアップ環境を管理するこ とも可能です。また、Data Protector にはコマンド行インタフェースも用意されているの で、スクリプトを使用して Data Protector を管理することもできます。 • 優れたバックアップ性能 Data Protector を使用すると、数百ものバックアップ・デバイスに同時にバックアップする ことができます。また、大容量ライブラリ内のハイエンド・デバイスもサポートされていま す。さらに、さまざまなバックアップ・タイプがサポートされているため、ユーザー要件に 最適なバックアップを実行できます ( ローカル・バックアップ、ネットワーク・バックアッ プ、フル・バックアップ、差分バックアップ、複数レベル増分バックアップ、オンライン・ バックアップ、ディスク・イメージ・バックアップ、オブジェクトミラーリングを伴うバッ クアップ、並列データ・ストリームの組み込みサポートなど )。 • 混合環境のサポート 第1章 3 バックアップと Data Protector Data Protector について Data Protector は異機種環境をサポートしており、大部分の機能は UNIX プラットフォーム と Windows プラットフォームで共通です。UNIX と Windows の Cell Manager からは、サ ポート対象のクライアント・プラットフォームのすべて (UNIX、Windows、および Novell NetWare) を制御できます。Data Protector ユーザー・インタフェースを使用すると、各サ ポート対象プラットフォーム上のすべての Data Protector 機能にアクセスできます。 • 混合環境におけるインストールの容易性 インストール・サーバの存在は、インストール作業およびアップグレード作業を容易にしま す。UNIX クライアントをリモートでインストールするには、UNIX 用インストール・サー バが必要です。また、Windows クライアントをリモートでインストールするには、 Windows 用インストール・サーバが必要です。リモート・インストールは、Data Protector GUI がインストールされていれば、どのクライアントからでも実行できます。インストー ル・サーバのプラットフォームとしてサポートされているプラットフォームの一覧は、 『HP OpenView Storage Data Protector ソフトウェア リリース ノート』を参照してください。 • 高可用性のサポート Data Protector は、24 時間継続されるビジネス運用にも対応しています。今日のようにビ ジネス環境が全世界的に分散している状況では、全社レベルの情報資源および顧客サービ ス・アプリケーションは、24 時間連続で使用される可能性があります。Data Protector で は、以下の機能を実現することにより、高可用性への要求に対応しています。 — クラスタとの統合によりフェイルセーフ・オペレーションを確実に実行し、仮想ノード のバックアップにも対応。サポート対象クラスタの一覧は、 『HP OpenView Storage Data Protector ソフトウェア リリース ノート』を参照してください。 — クラスタ上で Data Protector Cell Manager 自体の実行が可能。 — 一般に使用されている、すべてのオンライン・データベースのアプリケーション・プロ グラミング・インタフェース (API) をサポート。 — EMC Symmetrix、HP StorageWorks Disk Array XP、HP StorageWorks Virtual Array、HP StorageWorks Enterprise Virtual Array などの、高度な高可用性ソリュー ションとの統合が可能。 — Windows および UNIX の各プラットフォーム上で、さまざまな障害復旧機能を提供。 — バックアップの実行中および実行後にバックアップ・データを複製するためのメソッド を提供。この機能により、バックアップのフォールト・トレランスの強化やデータの二 重化が容易になります。 • 復元の容易性 4 第1章 バックアップと Data Protector Data Protector について Data Protector では、どのシステムのどのファイルが、どのメディア上に保存されているか をトラッキングするための内部データベースが用意されています。システム上の任意の部分 を復元する場合、目的のファイルやディレクトリを簡単に一覧することができます。その結 果、復元するデータにすばやく簡単にアクセスできます。 • 自動または無人処理 Data Protector では、内部データベースを使用して、Data Protector メディアに関する情報 と、それぞれのメディア上に保存されているデータに関する情報を管理しています。Data Protector には高度なメディア管理機能が備わっています。例えば、あるバックアップ・ データをいつまで復元可能な状態で保持する必要があるかといった点や、どのメディアが バックアップ用として ( 再 ) 利用可能かといった点をトラッキングしています。 また、大容量ライブラリをサポートしているため、数日間あるいは数週間にわたって、オペ レータが介入しない状態で処理を継続することも可能です ( 自動メディア交換 )。 さらに、Data Protector では、新しいディスクがシステムに接続された場合、自動的にその ディスクを検出して ( ディスク・ディスカバリ )、バックアップすることもできます。この 機能を使用すると、バックアップ構成情報を手動で調整する必要がなくなります。 • サービス管理 Data Protector は、バックアップ管理と復元管理のためのソリューションとしては初めて サービス管理機能をサポートしました。Application Response Management (ARM)、およ び Data Source Integration (DSI) の統合により、システムの管理および設計に必要なデータ が提供されるため、サービスレベル管理 (SLM) およびサービスレベル契約 (SLA) の概念が 強力にサポートされます。 この DSI の統合により、スクリプトおよび構成ファイルのセットが提供されるため、ユー ザーは Data Protector のレポート機能を使用して、レポートの仕様を追加する場合の指定方 法を調べることができます。 • モニタリング、レポート、および通知機能 Web を使用する優れたレポート機能および通知機能が用意されているため、バックアップ状 態のチェックや、活動中のバックアップ動作のモニタリング、レポートのカスタマイズなど を簡単に実行できます。レポートは、Data Protector GUI を使用して作成したり、UNIX ま たは Windows を実行しているシステム上で omnirpt コマンドを使用して生成したりするこ ともできます。さらに、Java ベースのオンライン生成 Web レポートを使用することもでき ます。 またレポートは、特定の時間に生成されるように設定しておくこともできれば、バックアッ プ・セッションの最後やマウント要求時など、事前設定した特定のイベント発生時に生成さ せることも可能です。 第1章 5 バックアップと Data Protector Data Protector について • オンライン・データベース・アプリケーションとの統合 Data Protector は、Microsoft Exchange Server、Microsoft SQL Server、Oracle、 Informix、SAP R/3、Lotus Notes/Domino Server、IBM DB2 UDB、および Sybase のデー タベース・オブジェクトに対するオンライン・バックアップ機能を備えています。個々のオ ペレーティング・システムでサポートされているバージョンの一覧は、 『HP OpenView Storage Data Protector ソフトウェア リリース ノート』を参照してください。 • その他の製品との統合 さらに Data Protector は、EMC Symmetrix、Microsoft Cluster Server、 MC/ServiceGuard をはじめとする製品との統合も可能です。 これらの統合機能や、最新のプラットフォームおよび統合サポート情報など、Data Protector 機 能の詳細については、以下の HP OpenView Storage Data Protector のホームページでご確認く ださい。http://www. openview. hp. com/products/datapro/spec_0001. html 6 第1章 バックアップと Data Protector バックアップと復元の概要 バックアップと復元の概要 本項では、バックアップと復元についてそれぞれの基礎的な概念を説明します。 バックアップとは バックアップとは、バックアップ・メディア上にデータのコピーを作成するプロセスのことで す。作成したコピーは、オリジナル・データの破壊や破損に備えて保管しておきます。 バックアップを最も抽象化すると、図 1-1 のような形になります。 図 1-1 バックアップ・プロセス 通常ソースとなるのは、ファイル、ディレクトリ、データベース、アプリケーションなど、ディ スク上のデータです。作成したバックアップを障害復旧用として使用する場合は、一貫性のある 形でバックアップ・データを作成することが大切です。 バックアップ・アプリケーションとは、バックアップ先に実際にデータをコピーするソフトウェ アのことです。またバックアップ先とは、テープ・ドライブのような、バックアップ・デバイス を指します。これらのデバイス内のメディアにデータのコピーが書き込まれます。 復元とは 復元とは、バックアップ・コピーから、オリジナルのデータを再作成するプロセスのことです。 このプロセスは、事前準備、実際のデータの復元、およびデータを実際に使用するための何らか の事後処理の 3 段階に分けることができます。 第1章 7 バックアップと Data Protector バックアップと復元の概要 図 1-2 復元プロセス 復元プロセスのソースはバックアップ・コピーです。また復元アプリケーションとは、復元先に 実際にデータを書き込むソフトウェアのことです。復元先は通常、オリジナル・データの書き込 み先となるディスクです。 ネットワーク環境のバックアップ ネットワーク環境のバックアップでは、データはネットワークを介して、バックアップ対象のシ ステムから、バックアップ・デバイスが接続されているシステム上のメディアに送信されて保存 されます。 図 1-3 ネットワーク・バックアップ ネットワーク環境のバックアップを実現するには、次の機能を備えたアプリケーションが必要で す。 • バックアップ・デバイスを、ネットワーク内の任意のシステムに接続できること。 これにより、コスト削減を目的として、ローカル・バックアップ ( 大容量データを格納した システム用 ) とネットワーク・バックアップの両方を実行することが可能となります。 • 任意のネットワーク・パスに、バックアップ・データフローを経路指定できること。 8 第1章 バックアップと Data Protector バックアップと復元の概要 • • • • データ量またはネットワーク・トラフィックが原因で LAN 転送の効率が悪い場合は、バック アップ・データの転送経路を LAN から SAN に変更できること。 任意のシステムからバックアップ活動を管理できること。 IT 管理の枠組みに統合できること。 さまざまなタイプのバックアップ対象システムをサポートできること。 ダイレクト・バックアップ ダイレクト・バックアップとは、データを移動するための専用のバックアップ・サーバを使用せ ずに、SAN 環境でディスクからテープにデータを直接送信するバックアップ方法です。Data Protector のダイレクト・バックアップでは、他の処理への影響が少ないハードウェアベースの ミラー化技術を採用することにより、バックアップ処理が実稼動サーバに与える影響を最小限に 抑えています。 またこのバックアップ方法では、ファイルシステムに依存しないデータ解決機能が使われます。 この機能は、サポート対象のディスク・アレイやブリッジに組み込まれている業界標準の XCOPY 機能と完全に統合されているため、個別のデータ・ムーバ装置を用意する必要はありま せん。 第1章 9 バックアップと Data Protector Data Protector アーキテクチャ Data Protector アーキテクチャ Data Protector セル ( 図 1-4 参照 ) とは、1 つの Cell Manager と、複数のクライアント・シス テムおよびデバイスで構成されるネットワーク環境を指します。Cell Manager は中央の制御ポ イントであり、Data Protector ソフトウェアのインストール先となります。Data Protector ソフ トウェアのインストールが終了したら、バックアップ対象となる各システムを追加していきま す。これらのシステムは、セルの構成要素である、Data Protector クライアント・システムとな ります。Data Protector を使用してファイルのバックアップを実行すると、これらのファイルは バックアップ・デバイス内のメディアに保存されます。 バックアップしたファイルに関する情報は、Data Protector 内部データベース (IDB) 内で管理 されるため、ブラウザを使用して、システム全体、あるいは特定のファイルのみを簡単に復元で きます。 Data Protector を使用するとバックアップ作業および復元作業が容易になります。Data Protector ユーザー・インタフェースを使うと、即時 ( 対話型 ) バックアップが実行可能です。ま た、あらかじめスケジュール設定されたバックアップを無人状態で実行することもできます。 図 1-4 Data Protector セル ( 物理的な構成図と論理的な構成図 ) 注記 GUI と Cell Manager は、UNIX と Windows の各オペレーティング・システム でそれぞれ実行できます。両方を同じオペレーティング・システム上で実行する 必要はありません。個々の Data Protector コンポーネントでサポートされている オペレーティング・システムの一覧は、 『HP OpenView Storage Data Protector ソフトウェア リリース ノート』を参照してください。 10 第1章 バックアップと Data Protector Data Protector アーキテクチャ Cell Manager Cell Manager は、セル内のメイン・システムです。Cell Manager は以下の働きをします。 • • セル全体を一元管理できます。 IDB を保持します。 IDB には、バックアップに要した時間、メディア ID、セッション ID など、バックアップに 関する詳細情報が保存されます。 • • Data Protector のコア・ソフトウェアを実行します。 Session Manager を実行します。この Session Manager は、バックアップ・セッションや復 元セッションの開始および停止を行うほか、セッションに関する情報を IDB に書き込む働 きをします。 バックアップ対象システム ファイル・システムのバックアップ元となるクライアント・システムには、Data Protector の Disk Agent (DA) をインストールする必要があります。Disk Agent は Backup Agent とも呼ば れます。また、オンライン・データベース統合をバックアップするには、Application Agent をインストールしてください。以降の説明では、両方のエージェントを指して、Disk Agent と 呼んでいます。Disk Agent は、システム上のディスクからデータを読み取って Media Agent に 渡したり、Media Agent から受け取ったデータをディスクに書き込んだりする働きをします。ま た、Disk Agent を Cell Manager 上にもインストールすることで、Cell Manager 上のデータや、 Data Protector の構成情報、IDB などのバックアップも可能になります。 バックアップ・デバイスを接続したシステム バックアップ・デバイスを接続したクライアント・システムには、Data Protector Media Agent (MA) をインストールする必要があります。このようなシステムは、ドライブ・サーバと も呼ばれます。バックアップ・デバイスは、Cell Manager だけでなく、どのシステムにでも接 続できます。Media Agent は、デバイス内のメディアからデータを読み取って Disk Agent に渡 したり、Disk Agent から受け取ったデータをメディアに書き込んだりする働きをします。 ユーザー・インタフェースをインストールしたシステム Data Protector は、Data Protector グラフィカル・ユーザー・インタフェース (GUI) をインス トールしたシステムであれば、ネットワーク上のどのシステムからでも管理できます。そのた め、例えば Cell Manager システムはコンピュータ・ルームに設置しておき、Data Protector の 管理はユーザーのデスクトップから実行することも可能です。 第1章 11 バックアップと Data Protector Data Protector アーキテクチャ インストール・サーバ インストール・サーバでは、特定アーキテクチャ用の Data Protector ソフトウェア・パッケー ジのレポジトリが保持されています。デフォルトでは、Cell Manager が同時にインストール・ サーバになります。なお混合環境の場合は、少なくとも 2 台のインストール・サーバが必要です (UNIX システム用に 1 台と、Windows システム用に 1 台 )。 セル内の処理 図 1-5 に示すとおり、バックアップ・セッションおよび復元セッションは、Data Protector Cell Manager により制御され、これらのセッション内でバックアップおよび復元に必要なすべての 処理が実行されます。 図 1-5 バックアップ処理および復元処理 12 第1章 バックアップと Data Protector Data Protector アーキテクチャ バックアップ・セッション バックアップ・セッションとは 図 1-6 に示すバックアップ・セッションとは、記憶メディア上にデータのコピーを作成するプロ セスを指します。バックアップ・セッションは、オペレータが Data Protector ユーザー・イン タフェースを使って対話式に開始することも、Data Protector スケジューラにより自動的に開始 させることも可能です。 バックアップの仕組み バックアップの実行時には、バックアップ用 Session Manager プロセスが、Media Agent と Disk Agent をそれぞれ 1 つまたは複数開始して、セッションを制御し、生成されたメッセージ を IDB に書き込みます。データは Disk Agent によって読み取られた後、Media Agent に渡さ れてメディア内に保存されます。 図 1-6 バックアップ・セッション 通常のバックアップ・セッションは、図 1-6 に示したよりも複雑なものになります。通常は複数 の Disk Agent によって複数のディスクから並列にデータが読み取られ、1 つまたは複数の Media Agent にそのデータが渡されます。複雑なバックアップ・セッションの詳細は、233 ペー ジの第 7 章 「Data Protector が機能する仕組み」を参照してください。 復元セッション 復元セッションとは 図 1-7 に示すように、復元セッションとは、以前に作成しておいたバックアップ・データをディ スク上に復元するプロセスを指します。復元セッションは、オペレータが Data Protector ユー ザー・インタフェースを使って対話式に開始します。 第1章 13 バックアップと Data Protector Data Protector アーキテクチャ バックアップの仕組み 以前に作成したバックアップから復元するファイルを選択した後、実際の復元処理を起動しま す。復元時には、復元 Session Manager プロセスが、必要な Media Agent と Disk Agent ( それ ぞれ 1 つまたは複数 ) を開始して、セッションを制御し、進捗状況を示すメッセージを IDB に 書き込みます。データは Media Agent によって読み取られた後、Disk Agent に渡されてディス クに書き込まれます。 図 1-7 復元セッション 通常の復元セッションは、図 1-7 に示したよりも複雑なものになります。復元セッションの詳細 は、233 ページの第 7 章 「Data Protector が機能する仕組み」を参照してください。 14 第1章 バックアップと Data Protector 企業環境 企業環境 企業環境とは 図 1-8 に示すように、一般に企業のネットワーク環境は、さまざまなベンダー製品を含む多数の システムで構成されており、各種オペレーティング・システムが使用されています。また、これ らのシステムが、時間帯の異なるさまざまな地域に配置されていることもあります。これらのシ ステムは、さまざまな通信速度の LAN または WAN ネットワークによって相互に接続されてい ます。 導入が必要となる場合 本書で説明するソリューションは、地理的に離れている複数のサイトに共通のバックアップ方針 を適用する必要がある場合に使用できます。また、同一サイトのすべての部門でバックアップ・ デバイスのセットを共有する場合にも使用できます。 図 1-8 世界規模の Data Protector 企業環境 MoM GUI 制御 セル . . . . . . . . . . . . . MoM セル 制 御 制御 セル セル 第1章 15 バックアップと Data Protector 企業環境 このような異機種環境のバックアップを構成し管理することは、通常、大変複雑な作業になりま すが、Data Protector 機能を使用すると容易に実行できます。Manager of Managers (MoM) の 詳細は、17 ページの「MoM」を参照してください。 環境内を複数セルに分割する 大規模な環境は、以下のような理由により、複数のセルに分割した方がよいことがあります。 分割が必要となる場合 • • • • • 地理的な場所に基づくシステムのグループ化 論理的な区分に基づくシステムのグループ化 ( 部門別など ) 特定のシステム間の低速なネットワーク接続 性能の向上 管理業務の分割 環境構築時の注意点については、27 ページの第 2 章 「バックアップ方針の策定」を参照してく ださい。 Data Protector では、複数のセルを一元管理できます。 図 1-9 複数セルを一元管理 16 第1章 バックアップと Data Protector 企業環境 MoM Data Protector には、複数セルに分かれた大規模環境を管理するために、 Manager-of-Managers (MoM) と呼ばれる機能が用意されています。この MoM 機能を使用する と、複数のセルを MoM 環境と呼ばれる 1 つの大きな単位にまとめて、一元管理することができ ます ( 図 1-9 参照 )。MoM は、バックアップ環境が拡張されても、これに自在に対応できます。 また新しいセルの追加や、既存セルの分割も自由です。 MoM 環境では、個々の Data Protector セルと中央の MoM セルとを、信頼性が高いネットワー クで接続する必要はありません。これは、長距離接続を介して送信されるのは制御情報だけであ り、バックアップ作業そのものはそれぞれの Data Protector セル内でローカルに行われるため です。ただしこれは各セルが、それぞれ個別のメディア管理データベースを所有していることが 前提になります。 図 1-10 Manager-of-Managers 環境 Manager-of-Managers は、以下の機能を提供します。 • 集中型のライセンス・レポジトリ ライセンス管理を容易にするための機能です。これは任意選択の機能であり、非常に大規模 な環境の場合には有用です。 第1章 17 バックアップと Data Protector 企業環境 • CMMDB (Centralized Media Management Database: 集中型メディア管理データベー ス) CMMDB を使うと、1 つの MoM 環境に含まれる複数のセル間で、デバイスとメディアを共 有できます。つまり、CMMDB を使っているあるセル内のデバイスに、同じ CMMDB を 使っている別のセルからアクセスできます。CMMDB を使う場合は、このデータベースを MoM セル内に配置しなければなりません。また MoM セルとその他の Data Protector セル との間に、信頼性の高いネットワーク接続が必要になります。CMMDB は、メディア管理 データベースを一元管理するための任意選択の機能である点に注意してください。 • ライブラリの共有 CMMDB を使用すると、1 つの環境内の複数セル間で、ハイエンド・デバイスを共有できま す。そのため、例えばあるセルから、別のセル内のシステムに接続された複数デバイスを制 御できるロボティクスを使用することも可能です。Disk Agent から Media Agent へのデー タ・パスも、セルの境界に制約されません。 • 企業レポート Data Protector の Manager-of-Managers を使用すると、セル単位のレポートだけでなく、 全社レベルのレポートも生成できます。 18 第1章 バックアップと Data Protector メディア管理 メディア管理 Data Protector には強力なメディア管理機能が備わっており、次に示すような方法で、それぞれ の環境内にある多数のメディアを簡単に効率よく管理できます。 メディア管理機能 • 個々のメディアは、メディア・プールと呼ばれる論理グループにまとめることができます。 そのため各メディアを個別に取り扱うのではなく、大容量のメディア・セットとしてまとめ て管理できます。 Data Protector では、個々のメディアと、そのメディアの状態がすべてトラッキングされて います ( データ保護の有効期限、バックアップ時にそのメディアを使用できるかどうか、各 メディアにバックアップされている情報に関するカタログ情報など )。 完全な自動処理が可能です。Data Protector では、ライブラリ・デバイス内に十分なメディ アを用意しておくと、メディア管理機能により、オペレータによる介入操作を必要とせずに バックアップ・セッションを自動実行できます。 メディアの自動交換方針を設定しておくと、バックアップ用のメディア交換を手動で行う必 要がなくなります。 バーコードを使用する大容量のライブラリ・デバイスおよびサイロ・デバイスで使われる バーコードの認識およびサポートが可能です。 大容量ライブラリ・デバイスおよびサイロ・デバイス内に存在する、Data Protector が使用 する全メディアに対する認識、トラッキング、ブラウズ、および操作が可能です。 メディアに関する情報を中央で一元管理し、複数の Data Protector セル間でこの情報を共有 できます。 メディア上のデータの追加コピーを、対話式で、または自動的に作成することができます。 メディア・ボールティング ( 安全な場所でのメディアの保管機能 ) がサポートされています。 • • • • • • • • メディア・プールとは Data Protector では、多数のメディアを管理するためにメディア・プールを使用します。メディ ア・プールとは、使用方針 ( プロパティ ) が共通であり、かつ物理タイプが同じであるメディア の論理的な集まりのことです。メディアの使用方針は、メディア上に保存されているデータに応 じて決定します。メディア・プールの構造やサイズ、プール内に保存するデータのタイプなど は、ユーザーが自由に設定できます。 第1章 19 バックアップと Data Protector メディア管理 デバイス構成時には、デフォルトのメディア・プールが指定されます。バックアップ仕様の中で メディア・プールを指定しなければ、このデフォルトのメディア・プールが使用されます。 20 第1章 バックアップと Data Protector バックアップ・デバイス バックアップ・デバイス Data Protector では各デバイスを、デフォルト・プールなどの使用プロパティが個々に定義され た物理デバイスとして、定義およびモデリングします。 このようなデバイス概念の使用や、バックアップ仕様などにより、Data Protector ではデバイス とその使用方針を容易にかつ柔軟に構成することができます。バックアップ・デバイスの定義 は、メディア管理データベース内に保存されています。 図 1-11 バックアップ仕様、デバイス、およびメディア・プールの関連 図 1-11 は、バックアップ仕様、デバイス、およびメディア・プールの関連を示したものです。 各デバイスは、バックアップ仕様の中で指定されています。各デバイスはメディア・プールとリ ンクされていますが、このメディア・プールはバックアップ仕様内で変更することも可能です。 例えば上図のバックアップ仕様 2 は、デフォルト・プールではなく Dept_X プールを参照してい ます。 Data Protector は、多種多様なデバイスをサポートしています。詳細は、 『HP OpenView Storage Data Protector ソフトウェア リリース ノート』を参照してください。 第1章 21 バックアップと Data Protector ユーザー・インタフェース ユーザー・インタフェース Data Protector では、グラフィカル・ユーザー・インタフェースを使用して、すべての構成作業 および管理作業を簡単に実行できます。Data Protector GUI は、UNIX プラットフォーム上の X11/Motif、および Windows プラットフォーム上で実行可能です。さらに UNIX と Windows のいずれのプラットフォームでも、コマンド行インタフェースを使用できます。 Data Protector のアーキテクチャ上、Data Protector ユーザー・インタフェースは非常に柔軟な 形でインストールして使用することができます。このユーザー・インタフェースは、必ずしも Cell Manager システム上で使用する必要はなく、ユーザーのデスクトップ・システム上にイン ストールすることも可能です。図 1-12 に示すように、このユーザー・インタフェースを使用す ると、HP-UX、Solaris、Windows のいずれの Cell Manager を使っている Data Protector セル であっても、特に意識することなく管理できます。 図 1-12 Data Protector ユーザー・インタフェースの使用 ヒント 一般に、混合環境では、環境内の複数のシステム上に Data Protector ユーザー・ インタフェースをインストールしておき、複数のシステムから Data Protector に アクセスできるようにしておく方が便利です。 22 第1章 バックアップと Data Protector ユーザー・インタフェース Data Protector GUI 図 1-13 に示すとおり、Data Protector GUI は、以下に示す機能を備えた使い易い強力なインタ フェースです。 • • 結果タブでは、すべての構成ウィザード、プロパティ、およびリストを使用できます。 Windows 環境で実行される Microsoft SQL、Microsoft Exchange、SAP R/3、Oracle8 など や、UNIX 環境で実行される SAP R/3、Oracle8、Informix などのオンライン・データベー ス・アプリケーションのバックアップを簡単に構成して管理できます。 ヘルプ・ナビゲータと呼ばれる、コンテキスト依存型のオンライン・ヘルプ・システムが用 意されています。 • 図 1-13 Data Protector GUI 第1章 23 バックアップと Data Protector Data Protector のセットアップ作業の概要 Data Protector のセットアップ作業の概要 本項では、Data Protector のバックアップ環境をセットアップするためのさまざまな手順につい て簡単に説明します。環境の規模と複雑さによっては、必ずしも以下のすべての手順を実行する 必要はありません。 1. ネットワークと組織構造を分析して、バックアップする必要があるシステムを決定します。 2. Microsoft Exchange、Oracle、IBM DB2 UDB、SAP R/3 など、バックアップする必要があ る特別なアプリケーションおよびデータベースがあるかどうかを確認します。Data Protector には、これらの製品に特化した統合機能が備わっています。 3. Data Protector セルの構成について、以下のような点を決定します。 • • • • • Cell Manager となるシステム ユーザー・インタフェースをインストールするシステム バックアップ方法 ( ローカル・バックアップまたはネットワーク・バックアップ ) バックアップ・デバイスおよびライブラリを制御するシステム 接続の種類 (LAN または SAN、あるいはその両方 ) 4. 決定したセットアップ方法に合わせて、必要な Data Protector ライセンスを購入します。ラ イセンスを購入すると、インストールに必要なパスワードを入手できます。 別のやり方として、一時パスワードを使用して Data Protector を操作することも可能です。 ただし、このパスワードはインストール後 60 日間のみ有効です。詳細については、 『HP OpenView Storage Data Protector インストールおよびライセンス・ガイド』を参照してく ださい。 5. セキュリティ面を検討します。 • • セキュリティ上、注意すべき点を分析します。 『HP OpenView Storage Data Protector インストールおよびライセンス・ガイド』を参照してください。 構成の必要なユーザー・グループを検討します。 6. バックアップ構造を決定します。 • • • 24 どのようなメディア・プールを定義し、どのように使用するか。 どのデバイスをどのように使用するか。 各バックアップ・データのコピーはそれぞれいくつ必要か。 第1章 バックアップと Data Protector Data Protector のセットアップ作業の概要 • いくつのバックアップ仕様を作成し、どのようにグループ化するか。 7. [. . . ] データベースごとに、Data Protector の統合ソフトウェアを構成します。Data Protector で データベースを処理するために必要なデータは、データベース・システムの構成ファイルま たはレジストリ・エントリに保存されます。通常、この情報にはパス名や、ユーザーの名前 とパスワードが含まれます。 3. Data Protector のユーザー・インタフェースを使って、バックアップ仕様を準備します。 データベースと Data Protector 統合ソフトウェアを使うと、データベースを常にオンライン状 態に保てるだけでなく、以下の利点もあります。 • • • • • データ・ファイルの場所を指定する必要がなく、データ・ファイルを同一のディスク上に置 く必要もありません。 データベースの論理構造をブラウズできます。データベース中のあるサブセットだけを選択 することも可能です。 アプリケーション側でバックアップ操作を感知して、どの部分がバックアップされたかを追 跡できます。 複数モードによるバックアップが可能です。フル・バックアップのほかにも、( ブロック・レ ベルの ) 増分バックアップやトランザクション・ログのみのバックアップも選択できます。 複数のモードによる復元が可能です。またデータ・ファイルの復元後に、データベースによ り自動的にトランザクション・ログを復元し、構成内容に従ってそれらのトランザクション をデータベースに適用することもできます。 258 第8章 9 ダイレクト・バックアップ 第9章 259 ダイレクト・バックアップ 本章の内容 本章の内容 この章ではダイレクト・バックアップの概念と、ダイレクト・バックアップを支える技術につい て説明します。また、Data Protector でサポートされるダイレクト・バックアップ構成について も紹介しています。 この章の構成は以下のとおりです。 261 ページの「概要」 268 ページの「要件とサポート」 269 ページの「サポートされる構成」 260 第9章 ダイレクト・バックアップ 概要 概要 バックアップ・ソリューションに対するストレージ業界からの要求は年々厳しさを増しており、 アプリケーションのダウンタイムとシステム負荷を可能な限り抑えながら、バックアップ処理を 高速化することが求められています。またデータ量も増え続けており、過去 20 年間にわたって 1. 5 年ごとに 2 倍の分量になり、さらに増加の速度を増しています。 またアプリケーションやサービスは、ほぼ終日にわたりオンライン状態を保ち、最大の性能を発 揮することが求められています。そのためバックアップが可能な時間帯は限られています。また バックアップ処理等に伴う性能の低下が許されなくなってきています。 これらに加えて、相当な出費を伴う専用の装置を必要としないバックアップ・ソリューションへ の要求も高まっています。 こうした各方面からの要求に応えて新たに開発されたのが、ダイレクト (「サーバレス」) バック アップ技術です。 ミッション・クリティカルな Oracle 環境を管理する企業やサービス・プロバイダにとって、 Data Protector のダイレクト・バックアップ機能は、HP のネットワーク・バックアップ・ソ リューション・ファミリーに、他の処理への影響が少ないサーバレス・バックアップ機能を追加 する優れた機能拡張となります。 ダイレクト・バックアップでは、ディスクからテープにデータを直接移動することにより、HP のゼロ・ダウンタイム・バックアップ (ZDB) ソリューションのメリットを高めることができ、 またバックアップ・サーバの負荷を大幅に軽減できるため、場合によってはバックアップ・サー バをなくすことも可能です。 また、他の処理に影響を及ぼすソフトウェアベースのスナップショットではなく、ハードウェア ベースのミラー化技術を採用しているため、実稼動データベース・サーバに対する影響も最小限 に抑えられています。 さらにダイレクト・バックアップ・ソリューションは、HP StorageWorks テープ・ライブラリ ( および外付けの Fiber Channel SCSI ブリッジ ) に組み込まれている業界標準の XCopy (ANSI T10 SCP-2 拡張コピー仕様 ) コマンドと完全に統合されているため、専用の「データ・ムーバ」 装置を用意する必要もありません。 注記 HP OpenView Storage Data Protector A. 05. 50 のダイレクト・バックアップでサ ポートされるアプリケーション、オペレーティング・システム、およびデバイス の詳細は、269 ページの「サポートされる構成」を参照してください。 第9章 261 ダイレクト・バックアップ 概要 ダイレクト・バックアップ ダイレクト・バックアップとは、どのような処理を意味するのでしょうか。このバックアップ・ ソリューションは「サーバレス」で実行されます。つまり、データを移動するための専用のバッ クアップ・サーバは必要なく、またデータが LAN を介して転送されることもありません。バッ クアップされるデータは、クライアント・システムからテープ・デバイスに直接送信され、バッ クアップ・サーバを経由しません。 ダイレクト・バックアップでは、アプリケーション・データ・ファイルと制御ファイル、および ディスク・イメージ (raw ディスク・ボリュームまたは raw 論理ボリュームのいずれも可能 ) を バックアップすることができます。 ダイレクト・バックアップでは、既存のスプリット・ミラーおよび SAN (Storage Area Network) 技術を使用して、以下の処理が実行されます。 • アプリケーションにできる限り影響を与えずに、アプリケーション・データにアクセスしま す。アプリケーションを実行しているサーバは最小限しか使用されず、アプリケーションの ダウンタイムは、ほとんどまたは全くありません。 ネットワーク・トラフィックや LAN 速度に起因するボトルネックに影響されることなくデー タを移動できます。 • ダイレクト / サーバレス・バックアップをサポートするために、Data Protector では対象のファ イルシステムを解析し、SAN を介してデータを送信するための新たな技術も採用しています。 XCopy 標準をベースにしたこの新しい技術により、サーバを介することなく対象のシステムか らテープ・デバイスにデータを送信することが可能になります。XCopy の概要については、265 ページの「XCopy について」を参照してください。 このディスクからテープへの (SAN を経由した ) 直接的なデータ・パスにより、設備投資を減ら すとともに、既存設備の使用率を高めることができます。 バックアップの種類 ダイレクト・バックアップでは、アプリケーション・データ・ファイルと制御ファイル、および ディスク・イメージ (raw ディスク・ボリュームまたは raw 論理ボリュームのいずれも可能 ) を バックアップすることができます。 ダイレクト・バックアップの利点 データ・ムーバは SAN ブリッジ内に存在し、対象システムを解釈するための技術は汎用 Media Agent に組み込まれているため、ダイレクト・バックアップを使用する場合は、廉価な管理サー バを使用してバックアップを実施でき、またブロック識別を実行するための複数のサーバを購入 する必要もありません。 262 第9章 ダイレクト・バックアップ 概要 さらに、ダイレクト・バックアップはハードウェア機能を活用して稼動時間を増大し、また復元 時間を短縮するためのインスタント・リカバリにも対応できるように設計されています。 ダイレクト・バックアップの対象は、特定のファイルシステムや論理ボリューム・マネージャ (LVM) に限定されません。 ダイレクト・バックアップは、さまざまな面でバックアップ・ソリューションの機能を拡張しま す。例えばダイレクト・バックアップを使用すると、次のことが可能になります。 • • • • 最新の XCopy 機能を活用してバックアップにかかる時間を短縮できます。 既存のハードウェア・ミラー化機能およびスナップショット機能を活用して、稼動時間を最 大化できます。 Data Protector の業界をリードする優れたインスタント・リカバリ機能を使用して、復旧に かかる時間を短縮できます。 XCopy ホスト・デバイスは、CPU リソースおよびメモリ・リソースをほとんど必要としませ ん。 ダイレクト・バックアップの仕組み Data Protector のその他のバックアップ方法と同様に、バックアップをいつどのように実行する かは、バックアップ仕様を作成して制御します。 • • • アプリケーションを実行しているサーバ上の汎用 Media Agent によりアプリケーションを休 止します。 アプリケーションを実行しているサーバおよびバックアップ・ホスト上のスプリット・ミ ラー・エージェントにより、ミラーを分割します。 バックアップ・ホスト上の汎用 Media Agent により、以下の処理を実行します。 — 対象システム上のディスクを解析します。 — 解析した情報を計算します。 — XCopy を呼び出します。 • XCopy はこれに応じて対象データを取得し、ブリッジを介してこのデータをテープ・デバイ スに送信します。 図 9-1 は、基本的なダイレクト・バックアップ構成を示したものです。この構成では、独立した バックアップ・ホスト上に Resolve Agent が存在しています。ただし、データはこのホストを経 由して転送されるわけではありません。 第9章 263 ダイレクト・バックアップ 概要 図 9-1 ダイレクト・バックアップのアーキテクチャ 環境 この項ではダイレクト・バックアップ環境に関して、接続する必要があるデバイスと、それらの デバイスをどこに接続すればよいかについて説明します。また必要なエージェントと、そのイン ストール先についても説明します。 サポートされるプラットフォーム、テープ・ドライブ、およびライブラリの詳細は、269 ページ の「サポートされる構成」を参照してください。 ダイレクト・バックアップを実行する場合、アプリケーションを実行しているサーバ以外の場所 に汎用 Media Agent を配置することが求められます。また、アプリケーションを実行している サーバまたはその他のホスト上に Resolve Media Agent が存在し、XCopy エンジンにアクセス できなければなりません。Resolve Agent の配置については、269 ページの「サポートされる構 成」を参照してください。 ダイレクト・バックアップの要件は以下のとおりです。 264 第9章 ダイレクト・バックアップ 概要 • • • ディスク・アレイ、XCopy エンジン、アプリケーションを実行しているサーバ、およびテー プ・ドライブまたはライブラリが SAN に接続されていること。 Resolve ホストおよびアプリケーションを実行しているサーバが LAN に接続されていること。 HP StorageWorks Disk Array XP (XP) が BC (Business Copy) として、ミラーとともに構成 されていること。また、そのミラーに十分なディスク・スペースが割り当てられているこ と。 XCopy エンジン、 および Data Protector General Media Agent を実行しているホストの両方 から、コピー元デバイス ( ディスク ) とコピー先デバイス ( テープ ) にアクセスできるよう に、SAN が適切に構成されていること。つまり LUN マスキングと SAN ゾーニングが、次 のように構成されていなければなりません。 — General Media Agent ホストから XCopy エンジンにアクセスできること。 — General Media Agent ホストからコピー先のテープ・ドライブまたはライブラリにアク セスできること。 — SureStoreE Agent (SSEA)ホストからコピー元ディスクにアクセスできること。 — XCopy エンジンからコピー元ディスクにアクセスできること。 — XCopy エンジンからテープ・ドライブまたはライブラリにアクセスできること。 Resolve プログラムについて Resolve プログラムとは、さまざまな種類のファイルシステム固有のディスク・レイアウトを理 解するための、Data Protector 独自のコンポーネントです。Data Protector のダイレクト・バッ クアップでは、Resolve を使用することにより、さまざまなオペレーティング・システム上で書 き込まれたデータを、各オペレーティング・システムが実行されているサーバをそれぞれ用意す ることなしにバックアップできます。 Resolve はディスク上の raw 情報を確認し、ディスク上のファイルシステムを解釈するのに適し た方法を選択します。なお、Resolve はデータ自体を読むのではなく、ディスク上の配置に関す る情報のみを読み取る点に注意してください。その後 Resolve は、XCopy エンジンに直接入力 するのに適した情報を返します。 XCopy について XCopy は NCITS (National Committee for Information Technology) 標準に準拠しており、別の コンピュータ / サーバを介すことなく、2 台のデバイスが相互に通信することを可能にします。 • 第9章 265 ダイレクト・バックアップ 概要 XCopy では一連の SCSI コマンドが指定されます。このコマンドが XCopy エンジンに渡される ことにより、あるデバイスから別のデバイスにデータを転送することが可能になります。その 際、データの転送にコンピュータやサーバを必要としません。データは、XCopy を介して、コ ピー元デバイス ( ブロックまたはストリーム、つまりディスクまたはテープ ) からコピー先デバ イス ( ブロックまたはストリーム ) に送られます。 XCopy はストリーム ( テープ ) デバイスがセットアップされ、データの読み書きが可能な状態に なっていることを前提としています。つまりドライブがオンライン状態になっており、ドライブ 内にテープがセットされ、読み書きの開始位置にテープが位置付けられている必要があります。 XCopy 機能を使用することにより、制御サーバは、コピー元デバイスのデータをメモリ内に読 み込んでコピー先デバイスにその情報を書き込む作業から解放されます。XCopy 機能を使用す る場合、サーバ側では、XCopy コマンドを XCopy エンジンに渡し、その結果が返ってくるのを 待つだけで済みます。 XCopy と Resolve Resolve が登場する以前は、XCopy から返される情報を受け取るには、その情報と一致するファ イルシステムを持つサーバが必要でした。また適合するサーバが存在する場合であっても、情報 が返される前にオペレーティング・システムにより実際の物理セクタがそのオペレーティング・ システムの論理ビューに変換されている可能性があるため、この情報を利用するのは困難でし た。Resolve の登場により、複数のファイルシステムをサポートするための複数のサーバを用意 する必要がなくなり、またファイルシステム固有の情報フォーマットにより生じる問題点も解消 されました。 ダイレクト・バックアップ処理の流れ ダイレクト・バックアップ処理の流れは以下のとおりです。ここに示すのはダイレクト・バック アップの開始から終了までの基本手順です。 • • • • • • • • バックアップ仕様を読み取ります。 バックアップ対象を決定します。 アプリケーションを休止します。 ミラーを分割します。 アプリケーションを再開します。 ブロックを解析します。 データを移動します (XCopy エンジン )。 ミラーを再接続して再同期化します。 266 第9章 ダイレクト・バックアップ 概要 データ・ファイルのバックアップ段階 バックアップ対象のオリジナル・データ・ファイルは、後から復元処理に使用できる形に最終的 にコピーされるまでに、複数の段階を経てバックアップされます。通常、ダイレクト・バック アップ処理は以下の手順で実行されます。 1. データ・ファイルの整合性を確保します ( アプリケーションを休止します )。 2. メタデータ ( ファイル属性 ) を読み取り、ファイルをオブジェクトにグループ化します。 3. [. . . ]

HP DATA PROTECTOR V5.5 SOFTWAREダウンロード上のご注意

Lastmanualsはユーザー主導型のハードウエア及びソフトウエアのマニュアル(ユーザーガイド・マニュアル・クイックスタート・技術情報など)を共有・保存・検索サービスを提供します。
お探しの書類がなかったり、不完全だったり、言語が違ったり、モデル名や言語が説明と違う場合など、いかなる場合でもLastmanualsはその責を負いません。またLastmanualsは翻訳のサービスもしていません。

規約に同意して「マニュアルをダウンロード」をクリックすればHP DATA PROTECTOR V5.5 SOFTWAREのマニュアルのダウンロードが開始されます。

マニュアルを検索

 

Copyright © 2015 - LastManuals - すべての権利。
指定の商標やブランド名はそれぞれ個別の所有者のものです。

flag