ユーザーズガイド PALISADE RISK FOR SIX SIGMA 5.5
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PALISADE RISK FOR SIX SIGMA 5.5 (2489 ko)
マニュアル抽象的: マニュアル PALISADE RISK FOR SIX SIGMA 5.5
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[. . . ] ユーザー ガイド
シックス シグマでの @RISK の使用
バージョン 5. 5 2009 年 6 月
Palisade Corporation 798 Cascadilla St. Ithaca, NY 14850 USA +1-607-277-8000 +1-607-277-8001 (Fax) http://www. palisade. com (Web サイト) sales@palisade. com (電子メール)
著作権表記
Copyright © 2009, Palisade Corporation.
商標について
Microsoft、Excel、Windows は Microsoft Corporation の登録商標です。 IBM は International Business Machines, Inc. [. . . ] のセル 参照または出力名の工程能力指数を計算します。この関数は Cp に類似していますが、不均衡な分布の効果に対する Cp の調整を 考慮します。数式では、Cpk = (USL- 平均値)/(3 x シグマ) または (平均値 - LSL)/(3 x シグマ) のいずれか小さい方が採用されます。 RiskCpk(A10) は、出力セル A10 の工程能力指数を返します。 RiskSixSigma プロパティ関数は、セル A10 の RiskOutput 関数に 入力する必要があります。 RiskCpk(A10, , RiskSixSigma(100, 120, 110, 1. 5, 6)) は 、 LSL 100 および USL 120 を使用して、出力セル A10 の工程能力指数を返 します。 ガイドライン RiskSixSigma プロパティ関数は、セル参照または出力名に対して 入力する必要があります。または RiskSixSigma プロパティ関数を 含める必要があります。
例
RiskCpkLower
説明 RiskCpkLower( セル参照または出力名 , シミュレーション No. , RiskSixSigma(LSL, USL, ターゲット , 長期シフト量 , 標準偏差の 数)) は、RiskSixSigma プロパティ関数の LSL をオプションとして 使用し、シミュレーション No. のセル参照または出力名の指定下 限に基づく片側能力指数を計算します。 RiskCpkLower(A10) は、出力セル A10 の指定下限に基づく片側 能力指数を返します。RiskSixSigma プロパティ関数は、セル A10 の RiskOutput 関数に入力する必要があります。 RiskCpkLower(A10, , RiskSixSigma(100, 120, 110, 1. 5, 6)) は、LSL 100 を使用して、出力セル A10 の片側能力指数を返します。 ガイドライン RiskSixSigma プロパティ関数は、セル参照または出力名に対して 入力する必要があります。または RiskSixSigma プロパティ関数を 含める必要があります。
例
26
シックス シグマ統計関数
RiskCpkUpper
説明 RiskCpkUpper( セル参照または出力名 , シミュレーション No. , RiskSixSigma(LSL, USL, ターゲット , 長期シフト量 , 標準偏差の 数)) は、RiskSixSigma プロパティ関数の USL をオプションとし て使用し、シミュレーション No. のセル参照または出力名の指定 上限に基づく片側能力指数を計算します。 RiskCpkUpper(A10) は、出力セル A10 の指定上限に基づく片側 能力指数を返します。RiskSixSigma プロパティ関数は、セル A10 の RiskOutput 関数に入力する必要があります。 RiskCpkUpper(A10, , RiskSixSigma(100, 120, 110, 1. 5, 6)) は、LSL 100 を使用して、出力セル A10 の工程能力指数を返します。 ガイドライン RiskSixSigma プロパティ関数は、セル参照または出力名に対して 入力する必要があります。または RiskSixSigma プロパティ関数を 含める必要があります。
例
RiskDPM
説明 RiskDPM( セ ル 参 照 ま た は 出 力 名 , シ ミ ュ レ ー シ ョ ン No. , RiskSixSigma(LSL, USL, ターゲット , 長期シフト量 , 標準偏差の 数)) は、埋め込まれた RiskSixSigma プロパティ関数の LSL およ び USL をオプションとして使用し、シミュレーション No. のセル 参照または出力名の不良率 PPM を計算します。 RiskDPM(A10) は、出力セル A10 の不良率 PPM を返します。 RiskSixSigma プロパティ関数は、セル A10 の RiskOutput 関数に 入力する必要があります。 RiskDPM(A10, , RiskSixSigma(100, 120, 110, 1. 5, 6)) は、 LSL 100 および USL 120 を使用して、出力セル A10 の不良率 PPM を返し ます。 ガイドライン RiskSixSigma プロパティ関数は、セル参照または出力名に対して 入力する必要があります。または RiskSixSigma プロパティ関数を 含める必要があります。
例
第 2 章: シックス シグマでの @RISK の使用
27
RiskK
説明 RiskK( セ ル 参 照 ま た は 出 力 名 , シ ミ ュ レ ー シ ョ ン No. , RiskSixSigma(LSL, USL, ターゲット , 長期シフト量 , 標準偏差の 数)) は、埋め込まれた RiskSixSigma プロパティ関数の LSL およ び USL をオプションとして使用し、シミュレーション No. のセル 参照または出力名の工程センターの測度を計算します。 RiskK(A10) は、出力セル A10 の工程センターの測度を返しま す。RiskSixSigma プロパティ関数は、セル A10 の RiskOutput 関 数に入力する必要があります。 RiskK(A10, , RiskSixSigma(100, 120, 110, 1. 5, 6)) は、 LSL 100 お よび USL 120 を使用して、出力セル A10 の工程センターの測度 を返します。 ガイドライン RiskSixSigma プロパティ関数は、セル参照または出力名に対して 入力する必要があります。または RiskSixSigma プロパティ関数を 含める必要があります。
例
RiskLowerXBound
説明 RiskLowerXBound( セル参照または出力名 , シミュレーション No. , RiskSixSigma(LSL, USL, ターゲット, 長期シフト量, 標準偏差 の数)) は、RiskSixSigma プロパティ関数の標準偏差の数をオプシ ョンとして使用し、シミュレーション No. のセル参照または出力 名に対する平均値から指定された標準偏差の数に対する低い X 値 を返します。 RiskLowerXBound(A10) は、セル A10 の平均値から指定された 標準偏差の数の低い X 値を返します。 RiskLowerXBound(A10, , RiskSixSigma(100, 120, 110, 1. 5, 6)) は、標準偏差 6 を使用して、セル A10 の平均値から標準偏差 -6 の低い X 値を返します。 ガイドライン RiskSixSigma プロパティ関数は、セル参照または出力名に対して 入力する必要があります。または RiskSixSigma プロパティ関数を 含める必要があります。
例
28
シックス シグマ統計関数
RiskPNC
説明 RiskPNC( セ ル 参 照 ま た は 出 力 名 , シ ミ ュ レ ー シ ョ ン No. , RiskSixSigma(LSL, USL, ターゲット , 長期シフト量 , 標準偏差の 数)) は、RiskSixSigma プロパティ関数の LSL、USL、および長期 シフト量をオプションとして使用し、シミュレーション No. のセ ル参照または出力名に対する指定下限および指定上限の外の欠陥 の全確率を計算します。 RiskPNC(A10) は、出力セル A10 の指定下限と指定上限の外の欠 陥の確率を返します。RiskSixSigma プロパティ関数は、セル A10 の RiskOutput 関数に入力する必要があります。 RiskPNC(A10, , RiskSixSigma(100, 120, 110, 1. 5, 6)) は 、 LSL 100 、 USL 120 、および長期シフト量 1. 5 を使用して、出力セル A10 の指定下限と指定上限の外にある欠陥の確率を返します。 ガイドライン RiskSixSigma プロパティ関数は、セル参照または出力名に対して 入力する必要があります。または RiskSixSigma プロパティ関数を 含める必要があります。
例
RiskPNCLower
説明 RiskPNCLower( セル参照または出力名 , シミュレーション No. , RiskSixSigma(LSL, USL, ターゲット , 長期シフト量 , 標準偏差の 数 )) は、埋め込まれた RiskSixSigma プロパティ関数の LSL 、 USL 、および長期シフト量をオプションとして使用し、シミュレ ーション No. のセル参照または出力名の指定下限の外にある欠陥 の確率を計算します。 RiskPNCLower (A10) は、出力セル A10 の指定下限の外にある欠 陥の確率を返します。RiskSixSigma プロパティ関数は、セル A10 の RiskOutput 関数に入力する必要があります。 RiskPNCLower(A10, , RiskSixSigma(100, 120, 110, 1. 5, 6)) は 、 LSL 100、USL 120、および長期シフト量 1. 5 を使用して、出力セ ル A10 の指定下限の外にある欠陥の確率を返します。 ガイドライン RiskSixSigma プロパティ関数は、セル参照または出力名に対して 入力する必要があります。または RiskSixSigma プロパティ関数を 含める必要があります。
例
第 2 章: シックス シグマでの @RISK の使用
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RiskPNCUpper
説明 RiskPNCUpper( セル参照または出力名 , シミュレーション No. , RiskSixSigma(LSL, USL, ターゲット , 長期シフト量 , 標準偏差の 数 )) は、埋め込まれた RiskSixSigma プロパティ関数の LSL 、 USL 、および長期シフト量をオプションとして使用し、シミュレ ーション No. のセル参照または出力名の指定上限の外にある欠陥 の確率を計算します。 RiskPNCUpper(A10) は、出力セル A10 の指定上限の外にある欠 陥の確率を返します。RiskSixSigma プロパティ関数は、セル A10 の RiskOutput 関数に入力する必要があります。 RiskPNCUpper(A10, , RiskSixSigma(100, 120, 110, 1. 5, 6)) は 、 LSL 100、USL 120、および長期シフト量 1. 5 を使用して、出力セ ル A10 の指定上限の外にある欠陥の確率を返します。 ガイドライン RiskSixSigma プロパティ関数は、セル参照または出力名に対して 入力する必要があります。または RiskSixSigma プロパティ関数を 含める必要があります。
例
RiskPPMLower
説明 RiskPPMLower( セル参照または出力名 , シミュレーション No. , RiskSixSigma(LSL, USL, ターゲット , 長期シフト量 , 標準偏差の 数)) は、埋め込まれた RiskSixSigma プロパティ関数の LSL およ び長期シフト量をオプションとして使用し、シミュレーション No. のセル参照または出力名の指定下限の下にある欠陥数を計算 します。 RiskPPMLower(A10) は、出力セル A10 の指定下限の下にある欠 陥の確率を返します。RiskSixSigma プロパティ関数は、セル A10 の RiskOutput 関数に入力する必要があります。 RiskPPMLower(A10, , RiskSixSigma(100, 120, 110, 1. 5, 6)) は 、 LSL 100 および長期シフト量 1. 5 を使用して、出力セル A10 の指 定下限の下にある欠陥数を返します。 ガイドライン RiskSixSigma プロパティ関数は、セル参照または出力名に対して 入力する必要があります。または RiskSixSigma プロパティ関数を 含める必要があります。
例
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シックス シグマ統計関数
RiskPPMUpper
説明 RiskPPMUpper( セル参照または出力名 , シミュレーション No. , RiskSixSigma(LSL, USL, ターゲット , 長期シフト量 , 標準偏差の 数)) は、埋め込まれた RiskSixSigma プロパティ関数の LSL およ び長期シフト量をオプションとして使用し、シミュレーション No. [. . . ] のセル参照または出 力名に対する Z-Lower および Z-Upper の最小値を計算します。 RiskZMin(A10) は、出力セル A10 に対する Z-Lower および ZUpper の最小値を返します。RiskSixSigma プロパティ関数は、セ ル A10 の RiskOutput 関数に入力する必要があります。 RiskZMin(A10, , RiskSixSigma(100, 120, 110, 1. 5, 6)) は、USL 120 および LSL 100 を使用して、出力セル A10 に対する Z-Lower お よび Z-Upper の最小値を返します。 ガイドライン RiskSixSigma プロパティ関数は、セル参照または出力名に対して 入力する必要があります。または RiskSixSigma プロパティ関数を 含める必要があります。
例
第 2 章: シックス シグマでの @RISK の使用
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RiskZUpper
説明 RiskZUpper( セ ル 参 照 ま た は 出 力 名 , シ ミ ュ レ ー シ ョ ン No. , RiskSixSigma(LSL, USL, ターゲット , 長期シフト量 , 標準偏差の 数)) は、RiskSixSigma プロパティ関数の USL をオプションとし て使用し、シミュレーション No. のセル参照または出力名平均値 から、指定上限である標準偏差の数を計算します。 RiskZUpper(A10) は、出力セル A10 の平均値から、指定上限であ る標準偏差の数を返します。RiskSixSigma プロパティ関数は、セ ル A10 の RiskOutput 関数に入力する必要があります。 RiskZUpper(A10, , RiskSixSigma(100, 120, 110, 1. 5, 6)) は 、 USL 120 を使用して、出力セル A10 の平均値から、指定上限である標 準偏差の数を返します。 ガイドライン RiskSixSigma プロパティ関数は、セル参照または出力名に対して 入力する必要があります。または RiskSixSigma プロパティ関数を 含める必要があります。
例
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シックス シグマと [結果サマリー] ウィンドウ
[@RISK 結果サマリー] ウィンドウには、モデルのシミュレーション 結果のサマリーが表示されます。シミュレーションされた出力セルお よび入力分布のサムネイル グラフに加えて、これらの統計サマリー も表示されます。 出力に RiskSixSigma プロパティ関数が含まれている場合、 @RISK はテーブル上に、当該出力のシミュレーション結果に関するシックス シグマ統計を自動的に表示します。これらの列の表示・非表示は必要 に応じて切り替えることができます。
表示される統計 項目のカスタマ イズ
[結果サマリー] ウィンドウの表示列は、結果に関して表示したい統計 を選択することでカスタマイズできます。ウィンドウ下部の [テーブ ル列の選択] アイコンをクリックすると、[テーブル列の選択] ダイア ログが表示されます。
第 2 章: シックス シグマでの @RISK の使用
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テーブルでパーセンタイル値を表示させたい場合は、実際のパーセン タイル値を [指定したパーセンタイルでの値] の行に入力します。
Excel レポートの
生成
[結果サマリー] ウィンドウの内容は、Excel に書き出すことができま す。これにより、表示された統計とグラフを含むレポートを作成する ことが可能です。この書き出し操作は、ウィンドウ下部の [編集とエ クスポート] アイコンをクリックし、[Excel 上にレポートを表示] コ マンドを選択することで実行できます。
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シックス シグマと [結果サマリー] ウィンドウ
グラフに表示されるシックス シグマ マーカー
出力に RiskSixSigma プロパティ関数が含まれている場合、 @RISK は自動的に、所定の LSL、USL およびターゲット値を示すマーカー を、当該出力のシミュレーション結果を示すグラフ上に表示します。
これらのマーカーが不要な場合は、[グラフのオプション] ダイアログ の [マーカー] タブの設定を利用して削除することができます。逆に 、他のマーカーを必要に応じて追加することも可能です。[グラフの オプション] ダイアログは、グラフ上で右クリックするか、[グラフの オプション ダイアログの表示] アイコン (グラフ ウィンドウの左下に ある左から 2 番目のアイコン) をクリックすることで表示できます。
第 2 章: シックス シグマでの @RISK の使用
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グラフに表示されるシックス シグマ マーカー
ケース スタディ
サンプル 1 — 実験計画法 (DoE): カタパルト . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 41 サンプル 2 — 実験計画法 (DoE): 溶接. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 47 サンプル 3 — 実験計画法 (DoE) と最適化の使用 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 53 サンプル 4 — DFSS: 電子回路の設計. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 59 サンプル 5 — リーン シックス シグマ: 現況の分析 — 見積作成プロ セス. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 61 サンプル 6 — DMAIC: RTY (Roll Through Yield) 分析 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 71 サンプル 7 — 納入業者の選定 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 75 サンプル 8 — シックス シグマ DMAIC 不適合率 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 79 サンプル 9 — シックス シグマ RiskTheo 関数を用いた不適合率の判 定 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 83
ケース スタディ
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サンプル 1 — 実験計画法 (DoE): カタパルト
サンプル モデル: Six Sigma DOE Catapult. xls カタパルト (投石機) のモデルは、実験計画法の教材としてよく用い られる例です。ここでは、モンテ カルロ シミュレーションと公差解 析についての説明も含まれています。 ここでは、カタパルトの製造を請け合ったこととします。顧客からの 要望は、このカタパルトが標準的なボールを 25 メートル +/- 1 メー トルの誤差で飛ばせられるようにすることです。このカタパルトを製 造するにあたっては、次の設計仕様項目を考慮する必要があります。 • • • • 発射角度 ボールの質量 引張距離 バネ定数
ケース スタディ
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分布の入力
設計仕様の各項目には、その項目が取り得るさまざま値を表現するた めに、@RISK の確率分布を配置します。@RISK 確率分布は、@RISK の [関数の挿入] コマンドまたは @RISK ツールバーの [分布の定義] ア イコンを利用することで、数式に直接入力できます。例えば、引張距 離が取り得る値は、一様分布で表すことができます。
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サンプル 1 — 実験計画法 (DoE): カタパルト
RiskSixSigma プ
ロパティの入力
このモデルの出力となるのが投射距離であり、ここには投射距離の規 格下限、規格上限、およびターゲット値が定義された RiskSixSigma プロパティ関数が配置されています。入力側と同様に、@RISK の出 力も数式バーで直接入力できます。また、@RISK ツールバーの [出力 の追加] ボタンをクリックしてアクセスできる、ダイアログ ボックス を介しても定義することができます。
これで、カタパルトの能力指標の Cpk、Cpk 上限、Cpk 下限、シグ マ レベル、および DPM が求められます。このデータをもとに生産に 移る準備ができているかどうかが判断できます。
ケース スタディ
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結果のグラフ化
投射距離の結果の分布を確認すると、約 60% の試行において、投射 距離が規格外になってしまうことが読み取れます。
また、感度分析を検証すると、投射距離に影響を与える主要因が引張 距離、ボールの質量の順であることが読み取れます。
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サンプル 1 — 実験計画法 (DoE): カタパルト
このモデルは、タグチ メソッド (ロバスト パラメータ設計) の概念を 解説する上で有効な例です。タグチ メソッドにおいては、プロセス のばらつきに影響を及ぼすレベルの変数と影響を及ぼさないレベルの 変数という、システムを定義する 2 種類の変数があるとされています 。タグチ設計の根底にあるのは、この前者のタイプの変数を、プロセ スの総合的なばらつきを最小化するレベルに設定することにあります 。プロセスのばらつきに影響を及ぼさない変数は、プロセスを管理ま たは (および) 調整するために用いられます。 今回のカタパルトのモデルの場合、さまざま設計因子 (引張距離およ びボールの質量など) を調整しながら、出力である投射距離のばらつ きを最小化するようにします。現在、投射距離の約 60% が 24~26 メ ートルと定められた規格に収まらないことを考えると、まだまだ改善 の余地が残されていることが読み取れます。
ケース スタディ
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サンプル 2 — 実験計画法 (DoE): 溶接
サンプル モデル: Six Sigma DOE. xls ここでは、円盤を円筒に溶接して作られる、鉄製の破裂カップ (下図 参照) のメーカーになったと仮定します。この製品には封具と安全装 置の両方の機能があるため、通常の使用時には一定の圧力に耐えられ るものの、内部圧力が制限安全値を超えた際には接合部が分離するよ うにしなければなりません。
円盤
Weld Pressure Weld Time
溶
Pressure Weld Time
Weld
円盤 円筒 固定ベース
このモデルでは溶接強度とプロセス因子および設計因子の関連付けを 行い、各因子のばらつきをモデル化した後、設計仕様に対する製品性 能の予測が行われます。複数の因子からの応答のモデル化は、実験計 画や重回帰分析を通じて統計学上有意な関数を導く出すことで、可能 になることがよくあります。
ケース スタディ
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-ٛ ٛ 設計因
子 実験計画 マトリクス
円盤部材厚
円筒部材厚 ホーン長
プロセス因子
溶接圧 通電時間 トリガー ポイント 振幅 周波数
このサンプルでは、各因子の代わりに正規分布を利用して、 @RISK がデータのばらつきをシミュレーションします。@RISK 分布はセル 参照に対応しているため、製品やプロセスの開発サイクルを通じて手 軽に更新できる、表形式のモデルを容易に組み立てることが可能です 。 ここで不確実な要素は、以下のとおりです。 設計因子 • • • 円盤部材厚 ホーン壁厚 ホーン長
伝達関数
応答
プロセス因子 • • • • • 溶接圧 通電時間 トリガー ポイント 振幅 周波数
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サンプル 2 — 実験計画法 (DoE): 溶接
分布の追加
各要素の代わりに分布を追加するには、単に、@RISK ツールバーの [ 分布の定義] アイコンをクリックし、そして正規分布 (Normal) を選 択した後、次の図にならって分布のパラメータまたはセル参照を指定 します。この際、必要であれば、Excel の数式バー上で各入力に対し て直接、数式を入力することも可能です。例えば、「溶接圧」のセル には次の体裁で数式を入力することができます。 =RiskNormal(D73, E73)
シックス シグマ 出力
このモデルの出力は、「設計 & プロセス性能」の欄にある溶接強度 (N) に定義されており、ここには規格下限 (LSL)、規格上限 (USL) お よびターゲット値が指定された RiskSixSigma プロパティ関数が配置 されています。出力の関数は、入力分布を定義するのと同様に、出力 セルに直接記入することもできれば、[出力の追加] ダイアログを使用 して記入することもできます。ここで入力する数式は次のとおりです 。 =RiskOutput("溶接強度 (N)", , , RiskSixSigma(D82, E82, 105, 0, 1))+ [数
学的な演算]
ケース スタディ
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次のような [出力の追加] ダイアログが表示されます。
このダイアログのプロパティ ボタン (fx アイコンのボタン) をクリッ クすると、[シックス シグマ] タブが備わった、[出力プロパティ] ダイ アログが表示されます。このダイアログでは、指定した出力の LSL、 USL、ターゲット値やその他のシックス シグマ プロパティが入力で きます。これらはシックス シグマ統計を求める際に用いられます。
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サンプル 2 — 実験計画法 (DoE): 溶接
シミュレーショ ンの結果
このシミュレーションを実行すると、Cpk 上限、Cpk 下限、Cpk、お よび不良品 PPM (DPM) に配置された @RISK シックス シグマ関数を 用いてシックス シグマ統計が求められます。なお、ここでは標準的 な @RISK 統計関数 (RiskMean など) も用いられています。
@RISK の出力分布には、さまざまな設計因子とプロセス因子のばら つきを加味したパフォーマンス予測が示されるとともに、LSL、USL 、およびターゲットを示すマーカーが表示されます。出力統計には、 レポート機能を利用するか @RISK 関数を介して、手軽にアクセスで きます。
ケース スタディ
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@RISK 感度分析を検証すると、溶接強度のばらつきの主要因となっ ているパラメータが通電時間と振幅であることが確認できます。
この問題に関する次のステップとしては、以下の 2 項目の検討が挙げ られます。通電時間と振幅のばらつきをより厳密にコントロールし、 ばらつきを減らす方法を検討してみる。あるいは、RISKOptimizer を 利用して生産能力の最大化またはスクラップ処理費の削減が可能にな るような、最適なプロセスおよび設計ターゲットを求めてみる。
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サンプル 2 — 実験計画法 (DoE): 溶接
サンプル 3 — 実験計画法 (DoE) と最適化の使用
サンプル モデル: Six Sigma DOE Opt. xls このモデルは、実験的な設計において RISKOptimizer を使用する方 法を示すためのものです。RISKOptimizer はモンテ カルロ シミュレ ーションと遺伝的アルゴリズムに基づく最適化処理の組み合わせを可 能にします。この 2 つのテクニックが利用できる RISKOptimizer は 、不確実性の伴う高度な最適化問題の解を求めることができる独特の 存在です。 RISKOptimizer を利用すれば、モデル内のあらゆる出力を最大化、最 小化したり、特定のターゲット値に近づけたりすることができます。 RISKOptimizer は、所定の目標を達成するために、ユーザーが制御可 能として指定した入力群のさまざまな組み合わせを試行します。この 各組み合わせのことを「解」と呼び、試行された一連の解の集合のこ とを「母集団」と呼びます。また「突然変異」とは、直前の試行とは 無関係な、新たな解がランダムに試行されるプロセスのことを指しま す。最適化にあたっては、どのような制約のもとに処理を行うかを、 RISKOptimizer に指示することもできます。 モデル内にある不確実で制御不可能な因子に対しては、@RISK の確 率分布関数を定義します。そして入力群の各試行組み合わせに対して は、RISKOptimizer がモンテ カルロ シミュレーションも実行し、こ れらの @RISK 関数のサンプリングを行うとともに、各試行の出力を 記録します。RISKOptimizer は最適な解を求めるために、数千回にも およぶ試行を実行します。不確実性を考慮できる RISKOptimizer は 、一般的な最適化プログラムよりはるかに正確な解を求めることがで きます。 このサンプルでは、直前のサンプル同様に、円盤を円筒に溶接して作 られる金属製の破裂カップを取り上げることにします。この製品には 封具と安全装置の両方の機能があるため、通常の使用時には一定の圧 力に耐えられるものの、内部圧力が制限安全値を超えた際には接合部 が分離するようにしなければなりません。 このモデルでは溶接強度とプロセス因子および設計因子の関連付けが 行われ、各因子のばらつきがモデル化されるとともに製品性能の予測 が行われます。ここでは、モデル内に 1 年あたりの不良品費用と記さ れたスクラップ費用を最小化する、最適なプロセス設定および設計公 称値の組み合わせを求めるために、RISKOptimizer が用いられていま す。これは生産高の最大化と同じことになります。
ケース スタディ
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RISKOptimizer が調整するプロセス因子および設計因子は以下のとお りです。 設計因子 • • • 円盤部材厚 ホーン壁厚 ホーン長
プロセス因子 • • • • • 溶接圧 通電時間 トリガー ポイント 振幅 周波数
これらはすべて、出力の「1 年あたりの不良品費用」を最小化するこ とを目的に調整されます。
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サンプル 3 — 実験計画法 (DoE) と最適化の使用
RISKOptimizer
のツールバー
Excel 2000-2003 には、次の体裁の RISKOptimizer ツールバーが追加 されます。
Excel 2007 には、次の体裁の RISKOptimizer ツールバーが表示され ます。
最適化モデル
[モデルの定義] アイコンをクリックすると、調整可能なセルや、使用 する出力および制限を定義するための次のダイアログが表示されます 。ここでは前述の入力と出力の定義の他に、トリガー ポイントが必 ず通電時間以下ではならないという制限を定義することにします。
ケース スタディ
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最適化設定
[最適化設定] アイコンをクリックすると、最適化処理とシミュレーシ ョンのさまざまな実行詳細を調整・指定することが可能な、次のダイ アログが表示されます。
最適化の実行
[ 最適化の開始 ] をクリックすると、処理の進み具合を示すサマリー データが含まれた、[RISKOptimizer 進行状況] ウィンドウが表示さ れます。
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サンプル 3 — 実験計画法 (DoE) と最適化の使用
虫メガネのアイコンのボタンをクリックすると、実行中の最適化処理 およびシミュレーションについての詳しい情報が含まれた、 [RISKOptimizer ウオッチャー] ダイアログが表示されます。次の図で は、シミュレーションの実行状況と、それまでに見つかった最適な値 が示されていることが確認できます。
[サマリー] タブには、求められたベスト、オリジナル、および最後の 各値と、交差率や突然変異率といった最適化時のパラメータが表示さ れます。
ケース スタディ
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[相違] タブには、演算の対象となったさまざまなセルと、それらの可 能な解が視覚的に表示されます。
このシミュレーションおよび最適化処理を実行すると、 RISKOptimizer に よ っ て 効 率 よ く 、 1 年 あ た り の 不 良 品 費 用 を 728, 000 円以下に低減するための解が求められます。 RISKOptimizer を使用することで、品質改善やコスト ダウン対策に 必要な時間と手間が省けます。この問題に関する次のステップは、実 験を通じてこのモデルと最適化された解の有効性を確認することです 。
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サンプル 3 — 実験計画法 (DoE) と最適化の使用
サンプル 4 — DFSS: 電子回路の設計
サンプル モデル: Six Sigma Electrical Design. xls ここに示す簡単な直流電子回路は、従属電圧源と独立電圧源の 2 つの 電源と 2 つの抵抗器によって構成されています。設計者の指定による と、この独立電圧源の動作電力レンジは 5, 550 W +/- 300 W とされて います。仮に、この独立電圧源に仕様範囲外の電力が通電された場合 は、回路に支障が及ぶことになります。設計パフォーマンス結果には 、制限値の上端と下端のいずれを超えた場合でも、ある割合の回路に 故障が発生し、設計品が十分な能力を発揮できないことが明記されて います。仕様の上限および下限で発生することが予測される不適合ユ ニットは、PNC 値で表されます。 この基本的なモデル ロジックは以下のとおりです。
入力 VI VD R1 R2
電源 (単独) 抵抗器 電源 (従属)
出力
伝達関数 (V=IR, P=VI)
PI
Vs
+
R1
R2
XiVs = i
ケース スタディ
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このモデルは既知の情報と、モデルに関する以下の前提条件をもとに 各構成要素の標準偏差を算出します。 1) 構成要素の値の平均は、許容誤差範囲の中心に相当する。 2) 構成要素の値は正規分布で分布される。@RISK は既存のデー タ セットに確率分布をフィットするために使用できるだけで なく、必要に応じて他の種類の確率分布をモデル化するため にも使用できる点に留意してください。 出力セル「PowerDep」の RiskSixSigma プロパティ関数には、シッ クス シグマ結果の演算に用いられる上限、下限、およびターゲット が定義されています。@RISK のシックス シグマ関数は、Cpk 下限、 Cpk 上限、Cpk、Cp、DPM、PNC 上限、および PNC 下限を求める ために用いられています。
感度分析
@RISK 感度分析では、出力の変化の主要因にあたる入力変数が特定 されます。感度分析の結果からは、2 つの電圧源が電力消費量の増減 の主要因であることが読み取れます。この情報が明らかにされたこと で、エンジニアリング チームは、抵抗器ではなく電圧源の改良に注 目すれば良いことが分かります。
このモデルは、構成要素や許容誤差を変化させたテストや、能力およ び性能の比較にも用いることができ、能力の最大化とコスト削減を実 現するための最適なソリューションの選択を可能にします。
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サンプル 4 — DFSS: 電子回路の設計
サンプル 5 — リーン シックス シグマ: 現況の分 析 — 見積作成プロセス
サンプル モデル: Six Sigma Quotation Process. xls リーンとシックス シグマは、いずれも継続的な改善に基づく手法で あり、これから検討しようとするプロセスの現況を把握することが重 要な要件とされています。当初、この作業はリーンの場合はバリュー ストリーム マップの作成段階、そして DMAIC シックス シグマ プロ セスの場合は「定義」と「測定」の段階で行われます。大半の実務者 は、このプロセスを単一または複数のセッションに組み込み、大まか なレビューを経た後、解決策を見いだすための段階に作業を進めてい ます。ここでは、プロセスのモデル化に相当の時間を割き、使用する データおよび前提条件が正しいことを確認することに大きな意義があ ります。この作業は、次に示すいずれかの条件にあてはまる場合に、 特に重要になります。 • • • • • 検討対象のプロセスが企業の成功にとって不可欠なものである ( ミッション クリティカル) プロセスの改善が必要なことに関して、相当の否定・反論がある 改善にかかる費用が相当な額におよぶ 継続的な改善努力の結果・効果が、後日、厳しく検証・追及され る可能性がある 検討中のプロセスがホーソーン効果の対象である (さらなる研究 を重ねることで、より優れた結果が得られる)
シミュレーションでは、現在状況の初期分析の正確さを証明すること もできれば、分析チームが遭遇する、実際の状況を示すこともできま す。各分野においては、実存するはずだと考えられるプロセス、実情 をもとに記録されたプロセス、および日々、実際に行われているプロ セスという、3 種 3 様のプロセスがあります。@RISK シミュレーショ ンを入念に作り込めば、実際のプロセスが記録できるとともに、後か ら発生する継続的な改善サイクルの影響を、的確にモデル化すること ができます。この際、モデルは簡単に組み立てることができます。
ケース スタディ
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モデルの開発と データの収集
このサンプルは、実在するある企業の社内見積作成工程プロセス フ ローを示したものです。プロセスを視覚的に表現するツールは数多く 存在しますが、ここではスイムレーン図を使用することにします。
今回の見積作成プロセスは、全体で 36 におよぶ個々のステップから 構成され、10 の個人または部署が途中で関わっています。概算デー タを検証したところ、このシステムでは重要案件に限り見積作成所要 期間を 1 週間以内に短縮できるものの、通常は見積が完成するまでに 最高 4 週間が必要とされていました。見積作成にかかる時間が長いこ とにより、この企業では利ざやの大きい、緊急注文を逃さざるを得ず にいませんでした。経営陣は急ぎの見積が通常の約 1/4 で作成でき ることに注目し、プロセス自体ではなく、人事的な要因が問題の根源 にあるのではないかと考えていました。一方の分析チームは、この会 社のプロセス自体が問題であることを証明するために、なんらかの手 立てを必要としていました。 スイムレーン図を作成した分析チームは、まず、顧客の見積依頼を受 け取ってから、エンジニアリング部門に見積が届くまでのプロセス所 要時間が、どの程度であるかを問うことにしました。この部分がプロ セスの最初の部分にあたります。この部分のデータは比較的に簡単に 収集することができ、しかもここで明らかになる事柄は、プロセス全 体に対して適用することも可能でした。
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サンプル 5 — リーン シックス シグマ: 現況の分析 — 見積作成プロセス
見積作成プロセスのこの部分は、次の 4 つのステップから構成されて います。まず、データの収集と入力 (ステップ A)。そして、カスタマ ー サービスのチェック待ち (ステップ B)。ここで、修正作業、および フォームへの追加データの入力と追跡番号の割り当てが行われます ( ステップ C)。そして最後に、エンジニアリング部署で見積作業を行 うための、パッケージの処理待ち (ステップ D)。
分析チームでは、各ステップの通過時間を簡単なタイム シートに記 録し、各プロセス ステップの所要時間を計測することにしました。 そして、このデータをもとに、この部分のプロセスにある 4 つのステ ップに関して初期分析を行うことにしました。
ケース スタディ
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分布の作成と出 力の定義
ここで扱うシンプルな分布データの場合、データの分布は単一の曲線 に沿うような形で存在します。一方の複雑な分布の場合は、いくつか の個々の分布から構成され、定義がより難しくなるのが一般的です。 今回、分析チームが収集したデータは、この両方のタイプに属するも のでした。 @RISK では、ツールバーの [分布のフィット] ボタン利用して、デー タの分布パターンを読み取ることができます。あらかじめこの処理で フィットした分布は、スプレッドシートに分布関数として入力できま す。ユーザーは、Excel 上のデータを選んだ後、[分布のフィット] ボ タンを選択し、画面の指示に従うだけで、後は @RISK が当該データ を検証し、一連の分布関数との適合度をチェックします。 次の図は、分析チームがステップ C (チェック作業) で収集したデー タを @RISK でフィットした結果を示すものです。結果として提示さ れた分布は、[セルへの書き込み] ボタンを利用して、見出しの「C チェック作業」直下にあるスプレッドシート セルに直接書き込むよ うにします。 ( 今回、分析チームはランキングが最も高いワイブル (Weibull) 分 布 で は な く 、 そ れ よ り ラ ン キ ン グ が や や 低 い 、 正規 (Normal) 分布を選択しました。これは、今回のような小さなデータ セットの場合、2 つの曲線間の差が許容範囲内にあるからです。)
分析チームは、4 つのステップすべてに対して、分布を割り当てる作 業を進めました。そして、最後にステップ A~D の計である「合計時 間」のセルを @RISK 出力として設定し、シミュレーションを実行し ました。
64 サンプル 5 — リーン シックス シグマ: 現況の分析 — 見積作成プロセス
シミュレーションの結果、有用なデータが明らかになりました。見積 作成に必要な合計時間の平均値は約 1700 分。つまり、軽く 1 日以上 にあたります。また、所要時間のデータには 350 分 (約 6 時間) から 、楽に 2 日以上の間で、ばらつきがあることが判明しました。 この所要時間の間に発生する唯一の付加価値ステップといえば、チェ ック作業の段階のみです。このステップの所要時間は平均で 35 分、 そして、ばらつきは 6 分から 64 分の間であることが判明しました。 このデータに基づいて関連部署の作業を検証した結果、経営陣は驚き ながらも、この結論が本当であることに納得しました。
シミュレーショ ン結果の統計
@RISK によって、分析チームは、出力セルに関する基礎的な統計を 生成することができました。例えば、分析チームは、スプレッドシー トのテーブルに出力セル「合計時間」の平均値、最大値、最小値、お よび標準偏差を追加したいと考えていました。この場合は、 @RISK の [関数の挿入] メニューをクリックし、「統計関数」のセクション にある [シミュレーション結果] を選択します。ここでは表示される 一連の関数の中から、RiskMean を選択することができます。引数と しては、出力セルの「合計時間」を選択するようにします。これで、 シミュレーションが実行される度にこのセルが更新され、「合計時間 」の平均値が表示されるようになります。
最大値、最小値、標準偏差についても、同様の作業が行われています 。
ケース スタディ
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シックス シグマ 関数の入力
次に、分析チームは @RISK のシックス シグマ関数を利用して、出力 セルの Cpk を分析したいと考えました。そこで、出力セルの「合計 時間」に、次のような条件で RiskSixSigma 関数を入力しています。 • • • • セル参照を用いて出力セルの名前を取得するための見出しセ ルを指定 セル参照を用いて予期される結果の LSL を指定 セル参照を用いて予期される結果の USL を指定 セル参照を用いて予期される結果のターゲット値を指定
これらの RiskSixSigma 関数は、[出力プロパティ] ダイアログ (@RISK の [出力の追加 / 編集] ダイアログにある「fx」の関数プロパティ ア イコンをクリックしてアクセス) を用いて簡単に設定できます。
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サンプル 5 — リーン シックス シグマ: 現況の分析 — 見積作成プロセス
出力の設定が完了した後、分析チームはシミュレーション時に、 @RISK シックス シグマ関数で Cp、CpkUpper、CpkLower、および Cpk を計算したいと考えていました。これらの関数は、@RISK の [関 数の挿入] メニューの [統計関数] のセクションから所定のシックス シ グマ関数 (RiskCp、RiskCpkUpper など) を選択するか、数式バーに 必要なシックス シグマ関数を直接打ち込むことで挿入できます。こ れらの値は、シミュレーションが実行される度に再計算されます。
ケース スタディ
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シミュレーショ ン出力のグラフ 化
LSL、USL およびターゲット値を示すマーカーが備わった @RISK の 結果グラフを確認した経営陣は、35 分ほどの作業のために平均でも 1 日以上がかかっていることに驚きを覚えました。出力である合計時間 のシミュレーション結果と、「ステップ C - チェック作業」の入力分 布でサンプリングされた値の集合を、以下の図に示します。
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サンプル 5 — リーン シックス シグマ: 現況の分析 — 見積作成プロセス
分析チームはシミュレーションの結果をもとに、実際のフローと、見 積が急ぎとして扱われない場合に何が起こるかの詳細を文書化するこ とができました。この結果、経営陣はプロセス全体を監視・改善する ことによって、改良の余地があることに納得しました。経営陣がプロ ジェクトの初期段階で関与することは、プロジェクトの長期的な成功 に欠かせない要素であったといえるでしょう。 この初歩的なモデルの後、分析チームはすべてのプロセスを網羅した 完全なモデルを構築しました。この完全なモデルを構築することで、 分析チームはプロジェクトのさまざまな段階の改善機会がモデル化で きるようになっているとともに、導入した改善策がプラスの影響を与 えているかどうかを検証できるようになっています。今回、 @RISK で当初のシミュレーションを作成・実行し、結果を得るまでにかかっ た時間は、Excel に従来のデータを打ち込んでから、わずか 1 時間に も達しませんでした。
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サンプル 6 — DMAIC: RTY (Roll Through Yield) 分析
サンプル モデル: Six Sigma DMAIC RTY. xls DMAIC (定義 <Define>、測定 <Measure>、分析 <Analyze>、改善 <Improve>、管理 <Control>) は、既存の製品およびプロセスを改善 するために用いられる概念です。ここでは、安価な銀に金メッキを施 した模造ジュエリーの製造者になったことを想定してください。原材 料や部品は中国から輸入することにします。部品には常に少量の欠陥 品が含まれていますが、その数量と損害額は明らかではありません。 そこで、元からの欠陥部品の数と、製造プロセスのさまざまな段階で 欠陥品となる部品数のデータを収集したとします。この結果、プロセ スの各段階では 99% 以上もの部品が良好であるため、表面的には欠 陥部品の存在が大した問題には見えません。しかし、欠陥部品の複合 的な影響により、最終製品の 15~20% もが損失されていたとします 。これは、製造数 100 万あたり 200, 000 個の欠陥ユニットが発生して いることに相当します。ユニットあたりの原材料価格が $. 50 であっ たとしたら、労働費、機械稼働時間およびその他の経費を考慮しなく ても、損失額は $100, 000 に達します。
ケース スタディ
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ここでは、生産される欠陥ユニットの数量を減らす必要があります。 しかし、その過程は長く複雑で、どの段階から開始すべきかさえ明ら かではありません。このような場合、@RISK を使用すれば多種多様 な結果をシミュレーションし、最大の問題となっている製造段階を特 定することができます。また、個々の段階およびプロセス全体の主要 なプロセス能力指標を求めることもでき、品質の改善と損失の低減に も役立てることが可能です。つまり、ここでは DMAIC 手法の「測定 」と「分析」のフェーズで @RISK を使用することになります。 @RISK は、(能力指標による) プロセスの現状の測定と、(感度分析に よる) それらの改善策の分析を行うために用いられます。
分布のフィッテ ィング
ここでは、製造プロセスから収集されたデータをもとに、@RISK の 分布フィッティング機能を利用して、プロセスの各段階 (開封/検品、 切断、清掃、および電気メッキ処理) で生じる欠陥部品の数量を表す 分布関数を定義しています。次の図に示すのは、電気メッキ フェー ズのデータに分布をフィットした結果です。ワイブル分布が最もフィ ットする分布として示されています。
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サンプル 6 — DMAIC: RTY (Roll Through Yield) 分析
こうしてフィットされた分布は、すべてモデルに直接追加されていま す。次の図は、電気メッキ フェーズの分布を示したものです。
シミュレーショ ンの結果
各段階およびプロセス全体で生じる 100 万ユニットあたりの不良品率 (DPPM) は、USL、LSL、およびターゲット値が指定されたシックス シグマ仕様とあわせて、@RISK 出力として定義されています。この シミュレーションを実行すると、各プロセスおよびプロセス全体に関 するさまざまなシックス シグマ指標が算出されます。
ケース スタディ
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次に示すのは、DPPM の結果データの分布です。
感度分析とトルネード グラフの結果を検証すると、他にも FTY (First Time Yield: 初回検査時の歩留まり) の値が一層低い段階 (「清掃」の 方が欠陥品数が少ない) が存在はするものの、「切断」の段階こそが 、欠陥品が製造される最大の要因になっていることが読み取れます。 これは、「切断」の FTY 値の方が他の段階より高いとはいえ、「切 断」プロセス自体がより一貫性に欠け、他のプロセスよりもばらつき を起こしやすいためです。
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サンプル 6 — DMAIC: RTY (Roll Through Yield) 分析
サンプル 7 — 納入業者の選定
サンプル モデル: Six Sigma Vendor Selection. xls ここでは新製品のローンチを想定することにします。この企業では、 製品ローンチの実行段階において、毎月の売上予測を 25, 000 ユニッ トと想定しています。この製品の要となる部品には精密機械加工が必 要とされるため、一部の業務を外部委託しなければなりません。つま り、この部品を製品で使用するには、部品に対する詳細な要件が満た される必要があります。具体的には、許容誤差がわずか +/- 1 mm、 かつ部品全長 66. 6 mm の仕様が定められています。 現在のところ、この主要部品を納入できる企業は 3 社あります。交渉 の結果、納入業者ごとに異なる部品単価が提示されています。ただし 、納入部品の品質が 3 社同じというわけではなく、一部の部品は仕様 通りの長さでは納品されません。納入業者のうち 2 社については、部 品納品時に仕様の誤差範囲内であることを確認するために全品検査が 必要となります。これにより、労働費およびスクラップの廃棄費がプ ロセスに追加されます。第 3 の納入業者は認定を受けており、納入部 品が 100% 仕様通りであることを保証しています。つまり、検品やス クラップの廃棄といった処理の必要がありません。ただし、この納入 業者の単価は 3 社のうち、最も高い水準にあります。
不測の事態に備えて、常に納入業者を複数確保しておくことが求めら れます。ただし、部品の加工業務を委託する上でより能率的な計画が 立てられるよう、どの納入業者が実質的に最も高い単位原価を必要と するかを把握する必要があります。
ケース スタディ
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部品長のモデル 化
各納入業者の部品長は、@RISK 分布関数によって表されます。また 、これらのセルには @RISK 出力が設定されるとともに、各納入業者 の Cpm を算出し、加工仕様の目印が付いた部品長の分布グラフを生 成 す る た め に RiskSixSigma 関 数 が 定 義 さ れ て い ま す 。 こ の RiskSixSigma 関数には、USL、LSL、ターゲット値の 66. 6 mm、およ び許容誤差として +/- 1 mm が指定されています。
部品仕様 (mm) LSL 66. 5 ターゲット 66. 6 USL 66. 7
例えば、納入業者 1 が納品する部品の長さは Pert 分布で定義され、 ここには以下の RiskSixSigma プロパティが含まれています。 = RiskOutput(, , , RiskSixSigma(B30, D30, C30, 0, 6))+RiskPert(66. 4, 66. 6, 66. 7)
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サンプル 7 — 納入業者の選定
シミュレーショ ンの結果
このシミュレーションを実行すると、実質的な単位原価が最も低いの は納入業者 1 であることが確認できます。また、ここでは、 RiskMean 関数を用いた各納入業者のシミュレーション単価の平均も 確認することができます。各納入業者の部品長の Cpm も算出されて います。
適合部品の実 質的な単価 納入業者 1 納入業者 2 納入業者 3 ( 認定 済) $6. 13 $6. 75 $6. 40
Cpm 長さ 0. 553 0. 472 0. 686
実質的な単価の平均 $6. 16 $7. 03 $6. 40
以下のグラフには納入業者 1 の品質のばらつきが示されています。
これで能率的な外注計画を立てる上で必要な、費用および品質の情報 が揃うことになります。次のステップとしては、カイゼン活動を通じ て社内の検品時間を削減するなど、さらなる費用削減の方法を検討し てみることが挙げられます。
ケース スタディ 77
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サンプル 8 — シックス シグマ DMAIC 不適合率
サンプル モデル: Six Sigma DMAIC Failure. xls ここに示すのは、品質管理および品質計画で用いられる不適合率のモ デルです。ここでは、製造業者になったと仮定し、不良品となる製品 の % 割合の算出を求められていることにします。ここでは現状の品 質測定と支障および欠陥の原因分析が求められています。これは DMAIC (定義 <Define>、測定 <Measure>、分析 <Analyze>、改善 <Improve>、管理 <Control>) でいうところの「測定」および「分析 」のフェーズにあたります。 製品の適合/不適合は、当該製品の 1 つまたは複数の構成要素が所定 の許容誤差水準内にあるかどうかで判定されます。各構成要素は、完 成時のある属性 (製品の幅など) が、規定された許容誤差内に収まっ ていることをもって条件を満たしていると判断されます。
ケース スタディ
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構成要素の幅の モデル化
完成時の各構成要素の属性 (製品の幅など) は、「サンプル」列に正 規分布でモデル化されています。
サンプル 10. 00 5. 00 8. 00 12. 00 6. 00
また、これらのセルには @RISK 出力が追加されているとともに、各 構 成 要 素 の LSL 、 USL 、 お よ び タ ー ゲ ッ ト 値 が 指 定 さ れ た RiskSixSigma プロパティ関数も含まれています。構成要素 1 の数式 は次のようになります。 =RiskOutput(, , , RiskSixSigma(F26, G26, C26, 0, 0))+RiskNormal(C26, D26) これにより、構成要素の品質をグラフ化して表示できるだけでなく、 これらのシックス シグマ統計が算出できるようになります。
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サンプル 8 — シックス シグマ DMAIC 不適合率
RiskMean 関 数
を用いた不適合 率の算出
構 成 要 素 お よ び 全 体 の 不 適 合 率 の計 算 に は 、 @RISK 統 計 関 数 の RiskMean が用いられています。したがって、シミュレーションを実 行するまでは有効な値は表示されません。また、シミュレーションを 実行すると、構成要素およびその総合的なシックス シグマ統計の Z 値と DPM 値も確認することができます。
Z 最小 2. 999060375 2. 99523275 2. 990852805 3. 492267357 3. 002125568 2. 945880756
不適合頻度 1/334 の確率で不適合 1/334 の確率で不適合 1/334 の確率で不適合 1/1000 の 確 率 で 不 適 合 1/1000 の 確 率 で 不 適 合 1/91 の確率で不適合
DPM 3000 3000 3000 1000 1000 11000
次に示すのは、USL、LSL、ターゲット値の各マーカーが備わった、 構成要素 1 のサンプリング結果です。
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サンプル 9 — シックス シグマ RiskTheo 関数を 用いた不適合率の判定
サンプル モデル: Six Sigma DMAIC Failure RiskTheo. xls ここに示すのは、品質管理および品質計画で用いられる DMAIC 不適 合率モデルの内容をさらに拡充したものです。このサンプルには、実 際のシミュレーションを実行することなく不適合率を求められるよう 、 RiskTheo 関数 ( ここでは RiskTheoXtoP) が用いられています。 RiskTheo 関数は、シミュレーションの実行から得たデータの統計を 返すのではなく、入力分布または数式の理論的な統計を返します。 ここでは、製造業者になったと仮定し、不良品となる製品の % 割合 の算出を求められていることにします。ここでは現状の品質測定と支 障および欠陥の原因分析が求められています。これは DMAIC (定義 <Define>、測定 <Measure>、分析 <Analyze>、改善 <Improve>、管 理 <Control>) でいうところの「測定」および「分析」のフェーズに あたります。 製品の適合/不適合は、当該製品の 1 つまたは複数の構成要素が所定 の許容誤差水準内にあるかどうかで判定されます。各構成要素は、完 成時のある属性 (製品の幅など) が、規定された許容誤差内に収まっ ていることをもって条件を満たしていると判断されます。
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構成要素の幅の モデル化
完成時の各構成要素の属性 (製品の幅など) は、「サンプル」列に正 規分布でモデル化されています。
サンプル 10. 00 5. 00 8. 00 12. 00 6. 00
また、これらのセルには @RISK 出力が追加されているとともに、各 構 成 要 素 の LSL 、 USL 、 お よ び タ ー ゲ ッ ト 値 が 指 定 さ れ た RiskSixSigma プロパティ関数も含まれています。構成要素 1 の数式 は次のようになります。 =RiskOutput(, , , RiskSixSigma(F26, G26, C26, 0, 0))+RiskNormal(C26, D26) これにより、仮にシミュレーションを実行した場合は、構成要素の品 質をグラフ化して表示できるだけでなく、これらのシックス シグマ 統計を算出することができます。
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サンプル 9 — シックス シグマ RiskTheo 関数を用いた不適合率の判定
RiskTheoXtoP
関数を用いた不 適合率の算出
構成要素および全体の不適合率の計算には、「サンプル」列の正規分 布を参照する RiskTheoXtoP が用いられます。また、このシミュレ ーションを実行すると、RiskMean 関数を用いたケースの不適合率が 算出されます。これにより、シミュレーションからの不適合率と RiskTheo からの不適合率の比較が可能になります。
シミュレーシ ョンから得た 不適合率 (%) 0. 30% 0. 20% 0. 20% 0. 00% 0. 10% 1%
RiskTheo から得た 不適合率 (%) 0. 270% 0. 158% 0. 138% 0. 047% 0. 135%
また、シミュレーションを実行すると、構成要素およびその総合的な シックス シグマ統計の Z 値と DPM 値も確認することができます。
シミュレーション からの Z 最小値 3. 0019569 3. 00420087 2. 984884973 3. 503591776 2. 995848512 3. 146403741
シミュレーシ ョンからの DPM 3000 2000 3000 0 1000 9000
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