ユーザーズガイド TRIMBLE S V6.00
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TRIMBLE S V7.00 (4391 ko)
マニュアル抽象的: マニュアル TRIMBLE SV6.00
詳しい操作方法はユーザーガイドに記載されています。
[. . . ] Trimble S3 サーボ /Autolock トータルステーションコントロールパネル バッテリー . バッテリーの安全性と使用環境に関して . リチウムイオンバッテリーの充電 . Trimble マルチバッテリーアダプタの使用 . [. . . ] Trimble S3 ロボティックトータルステーション . Trimble S3 サーボ /Autolock トータルステーション . 25 . 25 . 25
4
セットアップ
設置 . レーザポインタの位置合わせの確認 レーザポインタの調整 . .
Trimble S3 トータルステーション・ユーザーガイド i
器械高の測定 . Robotic Mode ロボティックモードにおける接続 . 視準誤差を減らすための測定値の平均化 測距機能 . 「バッテリー残量僅か」のメッセージ . 64
6
オプションとアクセサリ
Trimble 標準ポール . トラバースキット1アクセサリーケース . 測量用であればどの三脚や整準台も使用できますが、鋼鉄またはアルミ製の頭部
を持つ三脚が最適です。ファイバーグラスまたはその他の複合材料を素材とする 頭部を持つ三脚はお勧めできません。 詳細に関しては、 「サーボ機能」 (55 ページ)をご参照ください。
測定値を安定させる
40. 1
高精度機器が周囲の温度に慣れるのに掛かる時間を考慮してください。高精度の測 定に対しては以下の目安を利用できます。 温度差 ( ℃ ) × 2 = Trimble S3 トータルステーションが新しい温度に慣れるのに 必要な時間(分 ) 強い日差しの下で視準を合わせるのは避けてください。 ( 例 : 真夏の直射日光下な ど)
Trimble S3 トータルステーション・ユーザーガイド
31
4
セットアップ
レーザポインタ
4. 1
Trimble S3 トータルステーションは赤色レーザを測距およびレーザポインタに使用 します。レーザポインタは望遠鏡の視準線と同軸です。機器が正確に調整されてい る場合、赤色レーザポインタは視準線と一致します。衝撃や激しい温度変化などの 外的影響により、赤色レーザポインタが視準線からずれるおそれがあります。
レーザポインタの位置合わせの確認
41. 1
C C
注意 - 望遠鏡を通してレーザ調整板上のレーザスポットを見ても安全です。プリズム を使用して調整を行わないでください。プリズムからの反射光で目がくらむことがあ ります。
注意 - プリズムを捜すためにレーザポインターを使用しないでください。反射光で目 がくらむことがあります。反射光が目を傷めることはありませんが、作業の妨げにな ります。
レーザポインタを使用する際に 誤った視準を避けるため、定期的に、また高精度 の距離測定を行う前に、付属のレーザ調整板を使用してレーザの位置をチェックす ることをお勧めします。
1. Trimble S3 トータルステーションから 25 ~ 50 メートル離れた位置に、 レーザ調
整板を正対させて設置します。図 4. 21 をご参照ください。
2. レーザポインター機能をオンにして、赤色レーザポインターをオンにします。 3. レーザ調整板の中心に Trimble S3 トータルステーションを向けて、 赤いレーザス
ポットと望遠鏡の十字線との位置関係を調べます。
32
Trimble S3 トータルステーション・ユーザーガイド
セットアップ
4
4. 赤いレーザスポットが十字線からずれている場合は、レーザポインタを調整す
る必要があります。「レーザポインタの調整」 (34 ページ)をご参照ください。
図 4. 21
レーザ調整板
Trimble S3 トータルステーション・ユーザーガイド
33
4
セットアップ
レーザポインタの調整
レーザポインタを調整する手順は以下の通りです。
40. 1
1. 望遠鏡のケース上部にある2つの調整ポートのカバーを外します。図 4. 22をご参
照ください。
水平方向 鉛直方向 調整ポート 調整ポート
図 4. 22
レーザポインタ調整ポート
34
Trimble S3 トータルステーション・ユーザーガイド
セットアップ
4
2. レーザスポットの位置を鉛直方向に補正するには、鉛直方向調整ポートにアレン
キーを差し込み、図 4. 23 の通りにキーを回します。
時計回り = 下へ 反時計回り = 上へ
図 4. 23
鉛直方向の位置調整
3. レーザスポットの位置を水平方向に補正するには、水平方向調整ポートにアレン
キーを差し込み、図 4. 24 の通りにキーを回します。
Trimble S3 トータルステーション・ユーザーガイド
35
4
セットアップ
時計回り = 左へ 反時計回り = 右へ
図 4. 24
水平方向の位置調整
4. レーザスポットと十字の位置を確認してください。調整中は望遠鏡が常にレー
ザ調整板に向いているようにしてください。調整ねじは、戻り止めねじなので とても固くなっています。調整後、ねじは自動的に締まります。 5. 調整ポートにカバーを戻して取り付けます。調整ポートを適切に保護できるよう にカバーを正しく取り付けたことを確認してください。
C
36
注意 - 湿気と埃から守るために、調整後はカバーを調整ポートに正しく取り付けてく ださい。
Trimble S3 トータルステーション・ユーザーガイド
セットアップ
4
器械高の測定
4. 1
Trimble S3 トータルステーションの側面には 2 つの測定用マークがあります。上の マークは Trimble S3 トータルステーションの耳軸に対応しています。下のマーク は、上のマークより 0. 158 m 低い位置にあります。下のマークは、マークの突起の 最上部までを計測してください。図 4. 25 をご参照ください。
上のマーク
下のマークの 突起の最上部
下のマーク
図 4. 25
器械高測定用マーク
フィールド・アプリケーション・ソフトウェアを搭載している TSC2 が取り付けら れている場合は、これらのソフトウェアは、下のマークまでの測定値から、必要と される耳軸までの垂直器械高を算出できる機能を備えています。図 4. 26 をご参照
Trimble S3 トータルステーション・ユーザーガイド 37
4
セットアップ
ください。または次項をご参照ください。
0. 158m
Hm
Hc
Ih
図 4. 26
器械高の測定
鋲の中心から下のマークまでの斜距離 (Hm) の測定値から、下のマークまでの垂直 高 (Hc) が求められます。下のマークから上のマークまでの定数 (0. 158 m) を Hc に 加算すると、地上マークから耳軸までの垂直機器高 (Ih) が求められます。詳細に ついては、フィールド・ソフトウェアの説明書をご参照ください。 または、地面から下のマークまでの斜距離( Hm )を手動で測定し、測定した斜距 離 ( Hm ) を下記の公式に代入して、合計器械高(Ih) を求めて、上のマークまでの 正確な測定値 (Ih) を得ることもできます。
Ih = 0, 158 + Hm – 0, 091
2
2
38
Trimble S3 トータルステーション・ユーザーガイド
セットアップ
4
TSC2 コントローラの接続
4. 2
TSC2 は、 Trimble S3 ロボティック トータルステーションのコントローラとして使用 されます。
ケーブルを使用した接続
42. 1
TSC2 は Trimble S3 ロボティック トータルステーションの通信(COM)コネクタか ら TSC2 USB コネクタへ部品番号 73840001 のケーブルを介して接続されます。
COM コネクタ
TSC2
USB コネクタ
図 4. 27
サーボ測定および Autolock 測定用に TSC2 が Trimble S3 ロボティック トー タルステーションにケーブル接続されている
Trimble S3 トータルステーション・ユーザーガイド
39
4
セットアップ
42. 2
Robotic Mode ロボティックモードにおける接続
TSC2 は、Trimble S3 ロボティック トータルステーションに内蔵無線機を通じて直 接接続されます。
TSC2 図 4. 28 ロボティック測定用に TSC2 が内蔵無線を通じて S3 ロボティックトータルス テーションに接続されている
40
Trimble S3 トータルステーション・ユーザーガイド
セットアップ
4
USB メモリの接続
4. 3
Trimble S3 サーボ /Autolock トータルステーションの USB コネクタにアダプタケーブ ルを使って USB メモリを接続すると、コントロールパネルのメモリを拡張するこ とができます。
ヒロセピン から USB への アダプタ ケーブル USB コネクタ USB メモリ
図 4. 29
USB メモリが Trimble S3 サーボ /Autolock トータルステーションに接続され ている
Trimble S3 トータルステーション・ユーザーガイド
41
4
セットアップ
測定前チェックリスト
測定や杭打ちを始める前に、以下の項目について確認してください。
4. 4
• • • • • • • • •
レンズに汚れがない Trimble S3 トータルステーションが正しく水平である コリメーション誤差 トラッカーコリメーションの誤差 耳軸の傾き 正しい無線機チャンネルが選択されている(ロボティック仕様のみ ) レーザポインターの位置合わせ 器械高 Trimble S3 トータルステーションが周囲の温度に馴染むのに必要な時間が経過し たか( 図 31 ページをご参照ください)
42
Trimble S3 トータルステーション・ユーザーガイド
5
搭載機能
本章の内容 :
Q Q Q Q Q Q Q Q Q Q 測角機能 測距機能 トラッカー機能
5
無線機
Tracklight(トラックライト) サーボ機能 パワーマネジメント機能 電源 外部通信
着脱式ハンドル
TTrimble S3 トータルステーション・ユーザーガイド
43
5
搭載機能
測角機能
5. 1
測角の原則は、角度センサーの対照的な 2 箇所を通過する統合信号を読み取り、そ の平均角度を求めることです。これによって、偏心誤差や目盛り誤差を除去するこ とができます。 更に、測角システムは以下の機器エラーも補正します。
• 整準誤差(鉛直軸のずれ ) • 水平・鉛直コリメーション誤差 • 耳軸の傾き。46 ページをご参照ください。 整準誤差の補正
51. 1
Trimble S3 トータルステーションは、整準誤差が± 6 ’ までであれば自動的に補正 します。また、整準誤差が± 6 ’ を超えるとすぐに警告を発します。 水平、鉛直、斜距離の補正はフィールド・アプリケーション・ソフトウェアにより 計算され、全ての測定に適応されます。
コリメーション誤差の補正
水平方向のコリメーション誤差とは、視準軸と耳軸に直交する面との差です。
51. 2
鉛直方向のコリメーション誤差とは、鉛直角目盛り盤のゼロ位置と鉛直軸の差で す。 コリメーション誤差はこれまで、機器の正反両面で角度を観測することによって除 去してきました。Trimble S3 トータルステーションでは、測定前にコリメーション テストを実行して、コリメーション誤差を求めます。機器の両面で角度を測定し、 コリメーション誤差が計算され、適切な補正値が Trimble S3 トータルステーション に保存されます。コリメーション補正値は、その後すべての測角に適用されます。 正面のみの測角値はコリメーション誤差が補正されるので、正反の両面で測定を行 う必要がなくなります。 以下のような状況にあるとき コリメーションテストを行ってください。
• 輸送中に Trimble S3 トータルステーションが丁寧に取り扱われなかった場合 • 前回のコリメーションテスト時との気温差が 10 度以上ある場合 • 正面のみでの高精度の測角を行う直前
Trimble S3 Autolock/ ロボティックトラッカー・コリメーション誤差 Trimble S3 Autolock/ ロボティックトータルステーションは、自動的にプリズムター ゲットをロックし追尾することができます。 Trimble S3 Autolock/ ロボティックトー タルステーションのトラッカーのわずかなずれに起因する視準誤差は、前項で詳述 した水平および鉛直方向のコリメーションエラーと同様の影響があります。 トラッカーコリメーション誤差を補正するには、トラッカーコリメーションテスト を行います。トラッカーコリメーションテストでは、両面でターゲットの角度を自
44
Trimble S3 トータルステーション・ユーザーガイド
搭載機能
5
動視準で測定し、コリメーション誤差が計算され、適切な補正値が Trimble S3 Autolock/ ロボティックトータルステーションに保存されます。トラッカーコリメー ション補正値は、その後行なうすべての測角に適用されます。トラッカーコリメー ションの補正は正面のみの測角にも適用されるため、両面で測角をする必要がなく なります。 以下のような状況にあるときトラッカーコリメーションテストを行ってください。
• 輸送中に Trimble S3 Autolock/ ロボティックトータルステーションが丁寧に取り
扱われなかった場合
• 前回のコリメーションテスト時との気温差が 10 度以上ある場合 • Autolock を使用して正面のみで高精度の角度測定を行う直前
Trimble S3 トータルステーション・ユーザーガイド 45
5
搭載機能
耳軸の傾きの補正
51. 3
耳軸の傾き誤差とは、Trimble S3 トータルステーション望遠鏡の耳軸と、機器の鉛 直軸に直交する面との差です。図 5. 30 をご参照ください。
耳軸の 傾き誤差
図 5. 30
耳軸の傾き誤差
Trimble S3 トータルステーションでは、測定前に耳軸の傾きテストを実行して、耳 軸の傾き誤差を求めます。正反の両面で角度を測定し、耳軸の傾き誤差が計算さ れ、適切な補正値が Trimble S3 トータルステーションに保存されます。耳軸の傾き 補正値は、水平角の補正に適用されます。 以下のような状況にあるときは、 耳軸の傾きのテストを行ってください。
• 輸送中に Trimble S3 トータルステーションが丁寧に取り扱われなかった場合 • 前回のコリメーションテスト時との気温差が 10 度以上ある場合 • 正面のみでの高精度の測角を行う直前、特に 鉛直角が水平面から大幅にずれて
いる場合
46
Trimble S3 トータルステーション・ユーザーガイド
搭載機能
5
視準誤差を減らすための測定値の平均化
51. 4
Trimble S3 トータルステーションは、 ターゲットに対する Trimble S3 トータルステー ションのずれや、測定中のポールの動きによって起きた視準誤差を自動的に軽減し ます。以下の方法を用いることができます。
• Autolock を使用します。Autolock がオンになっているとき、Trimble S3 トータル
ステーションはターゲットに自動的にロック、追尾します。手動での視準誤差が 減少します。
• 測距中に自動的に角度を平均化します。標準測定モードの測定の場合、Trimble
S3 トータルステーションは距離を測定するのに約 1. 2 秒要します。 1000Hz での測 角値は、その 1. 2 秒間で平均化され、平均測角値が算出されます。結果として 得られる測角値は、1200 回以上の測定の平均値になります。
• フィールド・ソフトウェアで平均測定法を使用します。
測距機能
5. 2
Trimble S3 トータルステーションは、複合測距ユニットを装備していますので、プリ ズムモードでもノンプリズムモードでも測距することができます。以下では測距シ ステムについて説明しています。
DR
52. 1
DR は位相差式を利用したレーザ測距ユニットです。この測距ユニットは視準線と 同軸で、輝度を変調した測距光線を発射すると、その光線がプリズムに反射した り、地物の表面に当たって拡散したりします。発射した光と反射して戻ってきた光 の位相差から距離を算出します。 プリズムモードでは、測距ユニットは迅速かつ正確な長距離測距計として機能しま す。DR モードでは、コリメートされた可視赤色レーザ光線を発射し、送信光と 受信光の差から距離を計算します。 DR モードで、ある一回の距離の測定が正常に行なわれなかった場合は、測距ユ ニットによって検出されます。例えば、障害物などでビームが遮られた時に読み込 まれたデータは、最終的に距離を計算するときに無視されます。
Trimble S3 トータルステーション・ユーザーガイド 47
5
搭載機能
レーザスポットの広がり
52. 2
どの測距光線も、機器からの距離が長くなるほどレーザ照射範囲が広がります。レー ザスポットの広がりは、測定精度の低下ではなく、サンプルエリアの大きさに比例 します。図 5. 31 をご参照ください。
図 5. 31
レーザスポットの広がり
長距離で測定エリアが広い方が、電線やアンテナなどの小さな対象物を検出し、正 確に測定できるので、測定に適しています。測定エリアが狭いと、そのような小さな 対象物を見落としてしまうことがあります。狭い測定エリアは、鋭角のコーナーや 頂点を近距離で測定するときに有利です。鋭角のコーナーの観測時、レーザスポッ トの広がりはサンプルエリアのサイズが原因となる距離誤差を引き起こします。 図 5. 32 をご参照ください。
48
Trimble S3 トータルステーション・ユーザーガイド
搭載機能
5
測定距離
測りたい ポイント
測りたい ポイント
測定距離
図 5. 32
角の内側・外側の測定
より小さい測定面積を持つビームを使用することで問題を削減することはできます が、エラーを完全に除去することはできません。急な角度への測定でビームの広が りにより起きるエラーに対する最も正確な対処方法は、フィールド・アプリケー ション・ソフトウェアなどで使用されているオフセット測定を使用する方法です :
1. [. . . ] 調整ポートにカバーを戻して取り付けます。調整ポートを適切に保護できるよう にカバーを正しく取り付けたことを確認してください。
C
36
注意 - 湿気と埃から守るために、調整後はカバーを調整ポートに正しく取り付けてく ださい。
Trimble S3 トータルステーション・ユーザーガイド
セットアップ
4
器械高の測定
4. 1
Trimble S3 トータルステーションの側面には 2 つの測定用マークがあります。上の マークは Trimble S3 トータルステーションの耳軸に対応しています。下のマーク は、上のマークより 0. 158 m 低い位置にあります。下のマークは、マークの突起の 最上部までを計測してください。図 4. 25 をご参照ください。
上のマーク
下のマークの 突起の最上部
下のマーク
図 4. 25
器械高測定用マーク
フィールド・アプリケーション・ソフトウェアを搭載している TSC2 が取り付けら れている場合は、これらのソフトウェアは、下のマークまでの測定値から、必要と される耳軸までの垂直器械高を算出できる機能を備えています。図 4. 26 をご参照
Trimble S3 トータルステーション・ユーザーガイド 37
4
セットアップ
ください。または次項をご参照ください。
0. 158m
Hm
Hc
Ih
図 4. 26
器械高の測定
鋲の中心から下のマークまでの斜距離 (Hm) の測定値から、下のマークまでの垂直 高 (Hc) が求められます。下のマークから上のマークまでの定数 (0. 158 m) を Hc に 加算すると、地上マークから耳軸までの垂直機器高 (Ih) が求められます。詳細に ついては、フィールド・ソフトウェアの説明書をご参照ください。 または、地面から下のマークまでの斜距離( Hm )を手動で測定し、測定した斜距 離 ( Hm ) を下記の公式に代入して、合計器械高(Ih) を求めて、上のマークまでの 正確な測定値 (Ih) を得ることもできます。
Ih = 0, 158 + Hm – 0, 091
2
2
38
Trimble S3 トータルステーション・ユーザーガイド
セットアップ
4
TSC2 コントローラの接続
4. 2
TSC2 は、 Trimble S3 ロボティック トータルステーションのコントローラとして使用 されます。
ケーブルを使用した接続
42. 1
TSC2 は Trimble S3 ロボティック トータルステーションの通信(COM)コネクタか ら TSC2 USB コネクタへ部品番号 73840001 のケーブルを介して接続されます。
COM コネクタ
TSC2
USB コネクタ
図 4. 27
サーボ測定および Autolock 測定用に TSC2 が Trimble S3 ロボティック トー タルステーションにケーブル接続されている
Trimble S3 トータルステーション・ユーザーガイド
39
4
セットアップ
42. 2
Robotic Mode ロボティックモードにおける接続
TSC2 は、Trimble S3 ロボティック トータルステーションに内蔵無線機を通じて直 接接続されます。
TSC2 図 4. 28 ロボティック測定用に TSC2 が内蔵無線を通じて S3 ロボティックトータルス テーションに接続されている
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Trimble S3 トータルステーション・ユーザーガイド
セットアップ
4
USB メモリの接続
4. 3
Trimble S3 サーボ /Autolock トータルステーションの USB コネクタにアダプタケーブ ルを使って USB メモリを接続すると、コントロールパネルのメモリを拡張するこ とができます。
ヒロセピン から USB への アダプタ ケーブル USB コネクタ USB メモリ
図 4. 29
USB メモリが Trimble S3 サーボ /Autolock トータルステーションに接続され ている
Trimble S3 トータルステーション・ユーザーガイド
41
4
セットアップ
測定前チェックリスト
測定や杭打ちを始める前に、以下の項目について確認してください。
4. 4
• • • • • • • • •
レンズに汚れがない Trimble S3 トータルステーションが正しく水平である コリメーション誤差 トラッカーコリメーションの誤差 耳軸の傾き 正しい無線機チャンネルが選択されている(ロボティック仕様のみ ) レーザポインターの位置合わせ 器械高 Trimble S3 トータルステーションが周囲の温度に馴染むのに必要な時間が経過し たか( 図 31 ページをご参照ください)
42
Trimble S3 トータルステーション・ユーザーガイド
5
搭載機能
本章の内容 :
Q Q Q Q Q Q Q Q Q Q 測角機能 測距機能 トラッカー機能
5
無線機
Tracklight(トラックライト) サーボ機能 パワーマネジメント機能 電源 外部通信
着脱式ハンドル
TTrimble S3 トータルステーション・ユーザーガイド
43
5
搭載機能
測角機能
5. 1
測角の原則は、角度センサーの対照的な 2 箇所を通過する統合信号を読み取り、そ の平均角度を求めることです。これによって、偏心誤差や目盛り誤差を除去するこ とができます。 更に、測角システムは以下の機器エラーも補正します。
• 整準誤差(鉛直軸のずれ ) • 水平・鉛直コリメーション誤差 • 耳軸の傾き。46 ページをご参照ください。 整準誤差の補正
51. 1
Trimble S3 トータルステーションは、整準誤差が± 6 ’ までであれば自動的に補正 します。また、整準誤差が± 6 ’ を超えるとすぐに警告を発します。 水平、鉛直、斜距離の補正はフィールド・アプリケーション・ソフトウェアにより 計算され、全ての測定に適応されます。
コリメーション誤差の補正
水平方向のコリメーション誤差とは、視準軸と耳軸に直交する面との差です。
51. 2
鉛直方向のコリメーション誤差とは、鉛直角目盛り盤のゼロ位置と鉛直軸の差で す。 コリメーション誤差はこれまで、機器の正反両面で角度を観測することによって除 去してきました。Trimble S3 トータルステーションでは、測定前にコリメーション テストを実行して、コリメーション誤差を求めます。機器の両面で角度を測定し、 コリメーション誤差が計算され、適切な補正値が Trimble S3 トータルステーション に保存されます。コリメーション補正値は、その後すべての測角に適用されます。 正面のみの測角値はコリメーション誤差が補正されるので、正反の両面で測定を行 う必要がなくなります。 以下のような状況にあるとき コリメーションテストを行ってください。
• 輸送中に Trimble S3 トータルステーションが丁寧に取り扱われなかった場合 • 前回のコリメーションテスト時との気温差が 10 度以上ある場合 • 正面のみでの高精度の測角を行う直前
Trimble S3 Autolock/ ロボティックトラッカー・コリメーション誤差 Trimble S3 Autolock/ ロボティックトータルステーションは、自動的にプリズムター ゲットをロックし追尾することができます。 Trimble S3 Autolock/ ロボティックトー タルステーションのトラッカーのわずかなずれに起因する視準誤差は、前項で詳述 した水平および鉛直方向のコリメーションエラーと同様の影響があります。 トラッカーコリメーション誤差を補正するには、トラッカーコリメーションテスト を行います。トラッカーコリメーションテストでは、両面でターゲットの角度を自
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Trimble S3 トータルステーション・ユーザーガイド
搭載機能
5
動視準で測定し、コリメーション誤差が計算され、適切な補正値が Trimble S3 Autolock/ ロボティックトータルステーションに保存されます。トラッカーコリメー ション補正値は、その後行なうすべての測角に適用されます。トラッカーコリメー ションの補正は正面のみの測角にも適用されるため、両面で測角をする必要がなく なります。 以下のような状況にあるときトラッカーコリメーションテストを行ってください。
• 輸送中に Trimble S3 Autolock/ ロボティックトータルステーションが丁寧に取り
扱われなかった場合
• 前回のコリメーションテスト時との気温差が 10 度以上ある場合 • Autolock を使用して正面のみで高精度の角度測定を行う直前
Trimble S3 トータルステーション・ユーザーガイド 45
5
搭載機能
耳軸の傾きの補正
51. 3
耳軸の傾き誤差とは、Trimble S3 トータルステーション望遠鏡の耳軸と、機器の鉛 直軸に直交する面との差です。図 5. 30 をご参照ください。
耳軸の 傾き誤差
図 5. 30
耳軸の傾き誤差
Trimble S3 トータルステーションでは、測定前に耳軸の傾きテストを実行して、耳 軸の傾き誤差を求めます。正反の両面で角度を測定し、耳軸の傾き誤差が計算さ れ、適切な補正値が Trimble S3 トータルステーションに保存されます。耳軸の傾き 補正値は、水平角の補正に適用されます。 以下のような状況にあるときは、 耳軸の傾きのテストを行ってください。
• 輸送中に Trimble S3 トータルステーションが丁寧に取り扱われなかった場合 • 前回のコリメーションテスト時との気温差が 10 度以上ある場合 • 正面のみでの高精度の測角を行う直前、特に 鉛直角が水平面から大幅にずれて
いる場合
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Trimble S3 トータルステーション・ユーザーガイド
搭載機能
5
視準誤差を減らすための測定値の平均化
51. 4
Trimble S3 トータルステーションは、 ターゲットに対する Trimble S3 トータルステー ションのずれや、測定中のポールの動きによって起きた視準誤差を自動的に軽減し ます。以下の方法を用いることができます。
• Autolock を使用します。Autolock がオンになっているとき、Trimble S3 トータル
ステーションはターゲットに自動的にロック、追尾します。手動での視準誤差が 減少します。
• 測距中に自動的に角度を平均化します。標準測定モードの測定の場合、Trimble
S3 トータルステーションは距離を測定するのに約 1. 2 秒要します。 1000Hz での測 角値は、その 1. 2 秒間で平均化され、平均測角値が算出されます。結果として 得られる測角値は、1200 回以上の測定の平均値になります。
• フィールド・ソフトウェアで平均測定法を使用します。
測距機能
5. 2
Trimble S3 トータルステーションは、複合測距ユニットを装備していますので、プリ ズムモードでもノンプリズムモードでも測距することができます。以下では測距シ ステムについて説明しています。
DR
52. 1
DR は位相差式を利用したレーザ測距ユニットです。この測距ユニットは視準線と 同軸で、輝度を変調した測距光線を発射すると、その光線がプリズムに反射した り、地物の表面に当たって拡散したりします。発射した光と反射して戻ってきた光 の位相差から距離を算出します。 プリズムモードでは、測距ユニットは迅速かつ正確な長距離測距計として機能しま す。DR モードでは、コリメートされた可視赤色レーザ光線を発射し、送信光と 受信光の差から距離を計算します。 DR モードで、ある一回の距離の測定が正常に行なわれなかった場合は、測距ユ ニットによって検出されます。例えば、障害物などでビームが遮られた時に読み込 まれたデータは、最終的に距離を計算するときに無視されます。
Trimble S3 トータルステーション・ユーザーガイド 47
5
搭載機能
レーザスポットの広がり
52. 2
どの測距光線も、機器からの距離が長くなるほどレーザ照射範囲が広がります。レー ザスポットの広がりは、測定精度の低下ではなく、サンプルエリアの大きさに比例 します。図 5. 31 をご参照ください。
図 5. 31
レーザスポットの広がり
長距離で測定エリアが広い方が、電線やアンテナなどの小さな対象物を検出し、正 確に測定できるので、測定に適しています。測定エリアが狭いと、そのような小さな 対象物を見落としてしまうことがあります。狭い測定エリアは、鋭角のコーナーや 頂点を近距離で測定するときに有利です。鋭角のコーナーの観測時、レーザスポッ トの広がりはサンプルエリアのサイズが原因となる距離誤差を引き起こします。 図 5. 32 をご参照ください。
48
Trimble S3 トータルステーション・ユーザーガイド
搭載機能
5
測定距離
測りたい ポイント
測りたい ポイント
測定距離
図 5. 32
角の内側・外側の測定
より小さい測定面積を持つビームを使用することで問題を削減することはできます が、エラーを完全に除去することはできません。急な角度への測定でビームの広が りにより起きるエラーに対する最も正確な対処方法は、フィールド・アプリケー ション・ソフトウェアなどで使用されているオフセット測定を使用する方法です :
1. 建物の面の 2 つのポイントを測定します。 2. Trimble S3 トータルステーションを角に向け、正しい水平・鉛直角度を保存しま
す。図 5. 33 をご参照下さい。
Trimble S3 トータルステーション・ユーザーガイド 49
5
搭載機能
ポイント 1
ポイント 2
ポイント 3
図 5. 33
オフセット測定
オフセット測定では、DR 機器を使用して難しいエリアも正確に測定し、ビームの 広がりのエラーを除去することができます。詳しい情報はフィールド・アプリケー ション・ソフトウェアの説明書をご参照下さい。
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Trimble S3 トータルステーション・ユーザーガイド
搭載機能
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トラッカー機能
5. 1
Trimble S3 Autolock/ ロボティック トータルステーションにはトラッカー機能が備 わっており、Autolock およびロボティック測定に使用することができます。 トラッカー機能は Trimble S3 Autolock/ ロボティック トータルステーション サーボ を制御し、ターゲットに正しく照準を合わせます。 図 5. 34 をご参照ください。
B
ヒント - トラッカー機能の性能を最大限に生かすために、レンズは常に清潔で乾燥し た状態に保ってください。
図 5. 34
Timble S3 Autolock/ ロボティック トータルステーションのトラッカー機能
Trimble S3 トータルステーション・ユーザーガイド 51
5
搭載機能
照準
51. 1
望遠鏡とトラッカーの 2 つの光学軸の調整は異なる場合があります。 その差により、 Trimble S3 Autolock/ ロボティック トータルステーションが、トラッカーの使用時に (図 5. 35) プリズムの中心を指していないように見えます。これは 2 つの軸がそれ ぞれ異なるコリメーションデータを使用しているために起こるもので、問題ではあ りません。しかし、両方の軸のコリメーションテストはかならず行なってくださ い。 手動による照準 Autolock
図 5. 35
手動による照準と Autolock の違い
51. 2
照準の確認方法
Trimble S3 Autolock/ ロボティック トータルステーションのキャリブレーションの状 態を確認するには、プリズムに向けて測定を行ない、トラッカーの使用時と不使用 時で測定された角度を比較します :
1. プリズムに手動で照準を合わせ、水平角と鉛直角を読み取ります。 2. [. . . ]
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